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日別アーカイブ: 2026年7月21日

家督相続と遺産相続

毎日、熱い日が続く。
外を歩いたら、汗だく。

明治31年に、民法の第4編(親族法)、第5編(相続法)が公布された。
これを、旧民法ということとする。
昭和22年5月3日、日本国憲法の施行に伴い、民法の応急的措置に関する法律が施行された(以下、応急措置法ということとする)。
そして、旧民法が改正され、昭和23年1月1日、改正民法が施行された。
これを、新民法ということとする。
その後、新民法は、何度か改正され、今に到る。

「家督相続」と「遺産相続」は、旧民法における相続の形態であり、新民法では不適用となり廃止されたものである。

家督相続は、以下の事由によって開始する。
(1)戸主の死亡、隠居、国籍喪失
(2)戸主が婚姻または養子縁組みの取消しによってその家を去ったとき
(3)女戸主の入夫婚姻または入夫の離婚

ここでは、死亡と隠居について記す。

家督相続が発生すると、家督相続人が戸主となる。
家督相続人は、法で定められており、第1順位の家督相続人(第1種法定家督相続人)は、戸主と同じ家、同じ戸籍に属している直系卑属である。
親等が異なる場合は近い者を先にし、親等が同じ者の場合は男を先にする。
多くは、長男が家督相続をしているようである。
家督相続は、単独相続である。
家督相続であることや誰が家督相続をしたかは、戸籍に記載されるので、戸籍を見れば分かる。
そういう意味では、分かりやすい。

遺産相続は、家族(その家の戸籍にある戸主以外の者を家族という)の死亡によって開始する相続である。
この場合の遺産相続人は、第1順位が直系卑属(複数いる場合各相続分は同等)である。
家督相続の場合と違い、戸主と同じ戸籍にいなくても、直系卑属であれば、遺産相続人となる。
配偶者は第2順位である。

家督相続や隠居は、新民法施行によって廃止された制度ではある。
しかし、だからといって現在は無関係である、ともいえない。
というのも、
相続について適用される民法は、相続開始時に施行されていた民法になるからである。

例えば、明治以降
全く相続登記がされていない不動産について相続登記をしようとして、所有権登記名義人である被相続人の戸籍を取っていったところ、その被相続人について家督相続が発生していたら、まずは旧民法が適用法令となる。

相続開始が、昭和22年5月2日までなら旧民法、昭和22年5月3日から12月31日までなら応急措置法、昭和23年1月1日からなら新民法が、それぞれ適用法法令となる。

また、隠居による家督相続の場合は、注意が必要である。
隠居は生前にされるものなので、隠居後にその人は亡くなるが、隠居した後は戸主ではなくなるので、この場合は「遺産相続」となり、応急措置法施行後に死亡した場合は「相続」となる。

これは、相続登記にも影響してくる。
家督相続か遺産相続か相続かは、不動産を取得した日と隠居した日の先後、死亡日による。
不動産取得日は、その不動産の登記事項証明書や登記情報を見れば分かるでしょう。

隠居前に不動産を取得していたら「家督相続」、隠居後に不動産を取得していたら、死亡が旧
民法時代なら「遺産相続」、死亡が応急措置法施行後なら「相続」となり、登記原因もそれぞれ、「家督相続」・「遺産相続」・「相続」である。

相続登記をするとき、場合によっては、
旧民法と応急措置法と新民法が適用される相続であることもあるので、そういうときは、戸籍謄本等を取って各法律を調べながら、誰が相続人となっていくかを判断していくこととなる。
また、相続分を算出する場合、相続分も相続開始時期の法律による。

いずれにせよ、戸籍は結構な量になるでしょう。