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月別アーカイブ: 12月 2023

仕事納め

本年の業務は終了。
ありがとうございました。
来年も宜しくお願い申し上げます。

原本還付

「THE REAL ANTHONY FAUTI 人類を裏切った男(中) アンソニー・ファウチの正体と大統領顧問トップの大罪」という本を買って、読んでいるところ。
待っていた本の中巻で、出版社に問合せたら購入できるとのことで、購入した。
中巻は、エイズの話。

登記における原本還付
不動産登記や商業登記において、申請書に添付する書類は、原則として、原本を添付する。
しかし、原本が1通しかない等の理由により、原本を返却して欲しい場合もある。
そういうときは、「原本還付」をする。
但し、法令上、原本還付できない書類もある。

書類の原本還付を求める場合は、そのコピーを取り、申請書にはコピーを添付し、そのコピーに、「原本と相違ありません」と「申請人の氏名」を記載して押印する。
原本還付をする書類が複数ある場合は、1枚目にこの記載をし、それ以降は、申請書に押した同じ印鑑で、契印をしていく。
司法書士の場合、「原本還付」というハンコを押していることでしょう(赤色のスタンプで押す)。

ずっと昔に買った原本還付のハンコは縦書きのもの。
今は申請書や添付書類の多くが横書きなので、横書きの原本還付のハンコが欲しいなと思いつつ、縦書きのハンコでも差し支えがないので、これを使い続けている。
「原本と相違ありません」のハンコも縦書きだったが、これは横書きのものを作った。

相続登記において、戸籍謄本等の原本還付を求める場合は、相続関係説明図を作成して添付をしても、原本還付が可能。
戸籍謄本等全てコピーしてもいいが、これだと量が多くなる。

原本還付については、不動産登記と商業登記では、扱いが違っている。

不動産登記の場合(不動産登記規則第55条)
(1)原本還付は、事後還付。
申請書と一緒に原本を提出し、登記完了後に、登記識別情報通知や登記完了証と一緒に、原本を受け取る(郵送なら一緒に返送されてくる)。
昔は、事前還付(申請前に、受付で原本照合、還付)ができたが、それが後になった。

(2)登記申請を代理人がする場合、委任状に、「登記申請に関する一切の件を委任する」旨の記載があれば、原本還付請求についての記載がなくても、代理人が原本還付請求ができる。

(3)原本還付ができない書類がある(不動産登記規則第55条第1項但書)
登記義務者の印鑑証明書、第三者の承諾書に押印された実印の印鑑証明書、その登記申請のためだけに作成された書類(例えば、委任状)は、原本還付できない。

委任状については、複数の管轄用であれば、最後の管轄申請時までは還付できるが、最後の管轄への申請時には還付できなくなる、とのこと。
(委任状が、A法務局とB法務局用と1枚になっているとき、A法務局申請時には還付できるが、B法務局申請時には還付できない。)
ただ、こういう場合は、管轄ごとに委任状をもらうので、こういう場合の委任状の原本還付はしたことがない。

不動産登記で添付する書類で、原本還付できない書類以外の書類については、原本が必要かどうか(原本還付をするかどうか)を依頼者に聞く。
原本還付しないものは、所有権移転登記の権利者の住民票(相続のときは還付している)や評価証明書くらいだろうか。
法定相続情報証明書が何枚もあるので原本を使っていい、と言われたら使う。

遺産分割協議書には、不動産以外の財産のことも記載されていることがある。
こういう遺産分割協議書のコピーを添付して原本還付するとき、登記に関係しない箇所は省略してコピーをとってもいい、とされている。
ようは、登記に関係する内容があればいい、ということだ。
なので、こういう場合、自分は、登記に関係ないところは消してコピーを取っている(ちょっと手間なんですけどね)。


商業登記の場合(商業登記規則第49条)
(1)商業登記で原本還付する場合は、従来どおり、申請前の事前還付が可能。

(2)登記申請を代理人がする場合に原本還付する場合、委任状に、原本還付請求についての記載も必要(商業登記規則第49条第4項)

(3)原本還付できない書類はない(その規定がないため)

商業登記で、会社の定款が必要になるときがあるが、定款は会社に保存されている大事な書類なので、普通は、原本還付はせずに、定款をコピーして、そのコピーに、「本書は当社の定款に相違ない。令和○年○月○日 本店・商号・代表取締役の氏名と会社印の押印」をしたものを、登記申請書に添付している。

相続登記における住所を証する書面

JR中央線(快速)の車両内が、箱根駅伝一色になっていた。

相続登記では、不動産を相続する相続人の住所を証する書面が必要となる。
相続人の住所を証する書面は、次のとおり。
(1)住民票
(2)戸籍の附票
(3)印鑑証明書
(4)住所の記載のある法定相続情報証明書

相続登記と一緒に戸籍等の取得も依頼された場合、依頼者である相続人が、本籍を覚えていないような場合は、本籍の記載のある住民票を取る。
(以前は、運転免許証に、本籍が記載されていましたが、今はその記載はありません。)
本籍が分かっていれば、相続人の戸籍と一緒に戸籍の附票を取る。

印鑑証明書は、不動産を遺産分割協議で相続したのであれば、遺産分割協議書と印鑑証明書はセットなので、たいていある。
なお、相続登記の実務上、登記申請人となる不動産を相続する相続人については、印鑑証明書は不要(なので実印でなくてもいいこととなる)という取り扱いになっている。
とはいえ、やはり実印を押してもらう。
もし、遺産分割協議書に、不動産以外の財産についても記載がある場合、その相続手続きにおいて、相続人全員の実印と印鑑証明書が必要になる場合に備えるためにも、遺産分割協議書は、相続人全員の実印押印と印鑑証明書があるほうがいいでしょう。

法定相続情報証明書に相続人の住所も記載されていれば、相続人の住所を証する書面の代わりにもなる。


相続登記において、遺産分割協議書の印鑑証明書を住所を証する書面としても使う場合。
同じ印鑑証明書であっても、住所証明書と登記原因証明情報の一部と、添付する理由(根拠)が違うため、不動産を相続する相続人ごとに2通添付する必要がある。
印鑑証明書が何通かあって、原本を添付していいなら、原本を2通添付する。

印鑑証明書が1通しかない場合は、コピーを2通取って、住所証明書と登記原因証明情報の一部として添付して、両方とも原本還付をする。
(たいてい、この場合になるだろうか)
印鑑証明書の原本を使っていいなら、コピーを1通取って、原本をコピーを添付して、コピーの方に原本還付をしておく。

なお、マイナンバーカードを使って、コンビニで取った印鑑証明書や住所証明書を原本還付する場合は、両面コピーを取る必要がある。




移記ミス

送られてきたメールに、返信をした。
そうしたら、返信メールの件名が、「Re:」だけになっていた。
どういうこと?メールを打ち込んでいるときは、件名が「Re:○○○」と表示されているのだが、送信した後に送信済を見たら、「Re:」だけになっていた。
試しに、自分から自分に送ってみても、受信したときに、件名が消えていた。
送信済を見ても、件名が消えていた。
メールソフトがバージョンアップされているかも、と思って見たら、バージョンアップされていたので、新しいものを入れて、試しにメールを送ってみたところ、件名は消えなかった。
よかった。

とある不動産の登記事項証明書に記載されている権利者の住所が、その登記の登記済証に記載されている権利者の住所と違っていた。
移記ミスかな…。
そうではなかったら、住所の更正登記が必要か…。

まずは、その不動産の閉鎖登記簿謄本(コンピューター閉鎖)を取ってみる。
これは、オンラインで取れないので、申請書を書いて、収入印紙を貼って、管轄の法務局に申請する。
閉鎖登記簿謄本を見たら、その登記上の住所と登記済証の権利者の住所は合っていた。
となると、これは移記ミスだな。
コンピューター化するときに、間違えたのだろう。
法務局に連絡をしたら、やはり移記ミスのようで、職権更正をする、とのことだった。
その翌日に、職権更正が終わったという連絡があった。

成年後見人による相続登記

12月となった。
今年も残すところ、カレンダーが1枚となった。

「The Real Anthony Fauci 人類を裏切った男(上) 巨大製薬会社の共謀と医療の終焉」を読み終えた。
一回じゃ足りないなと思い、再読。
本書は、アメリカでの話ではあるが、日本にも当てはまるな…と思いながら読んだ。
ただ、これは偶然ではないのだろう。

成年被後見人等が、成年後見人等や他の相続人の間の遺産分割協議で不動産を相続し、成年後見人等が相続登記を申請する場合。
成年後見人等が、遺産分割協議をし、登記申請をする場合は、その権限を証するものとして、後見等の登記事項証明書が必要になる。
この場合の登記事項証明書は、相続人が成年被後見人等で成年後見人等が遺産分割協議を代理することができることを証する書面で、遺産分割協議書の一部になるものであり、そして、登記申請を代理する代理権限証書となる。

この場合の相続登記の申請書には、後見等の登記事項証明書を添付するが、後見等の登記事項証明書は2通必要になるのだろうか。
質問して回答を得たことはないが、自分は次のように思っている。

遺産分割協議における後見等の登記事項証明書は登記原因証明情報の一部であり、登記申請における後見等の登記事項証明書は代理権限証書となるので、添付根拠は別になり、原則として2通必要になる。
しかし、同じものであり、後見等の登記事項証明書は原本還付できるので、これを原本還付すれば原本は1通で足りるが、登記申請書にはそのコピーを2通添付するのではないかと思う。

なので、自分は、成年後見人として相続登記を申請するときや成年後見人等からこういう場合の登記の委任を受けたときは、3カ月以内の後見等登記事項証明書のコピーを2通添付(原本還付)して相続登記を申請している。