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「相続」カテゴリーアーカイブ
数次相続の相続登記
とある場所に座っていた。
隣に、若者二人連れが座っていて、話をしていた。
二人の会話が聞こえてくるので、聞くともなしに聞いていると、仕事の話かなと思っていたら、M1だのネタだのNSCだの…と聞こえてくる。
ああ、M1に出ようとしている芸人(漫才師)さんか…と思った。
それだけ。
数次相続とは、被相続人が死亡して相続(第1の相続)が発生して相続手続が終わらないうちに、その相続人が死亡して、その者にも相続(第2の相続)が発生したような場合をいう。
(更に、第2の相続手続が終わらないうちに第3の相続が発生、第4の相続が発生…と続く。)
第1の相続を一次相続、第2の相続を二次相続(第3以下同じ)、というので数次相続という。
被相続人Aの相続人がBとCで、Aの相続手続が終わらないうちに、Bが死亡したような場合のことをいう。
例えば、父・母・子供の家族で、父が死んで、父名義の不動産について相続登記をしないまま、母が亡くなったような場合。
ま、よくあるはなし。
この場合、被相続人Aの遺産分割協議は、Aの相続人のBとCとで行うこととなるが、Bは死亡していていないので、Bの相続人(DとEとする)が行うこととなる。
被相続人Aの相続人であるBの権利義務を、Bの死亡により、Bの相続人のDとEが承継する、ということになる。
つまり、被相続人Aの遺産分割協議は、CとDとEでする。
そして、被相続人Bの遺産分割協議は、DとEでする。
この場合の遺産分割協議書は、1つにまとめてもいいし、被相続人ごとに別々でもいい。
CとDとEの遺産分割協議で、被相続人Aの所有する不動産を、最終的に、Eが相続するとなった場合。
順番でいえば、CとDとEの遺産分割協議で、Aの不動産を亡Bが相続し、DとEの遺産分割協議で、その不動産をEが相続する、ということになる。
(EはAの直接的な相続人ではないので、最終的にEが不動産を相続する場合は、いったん亡Bに不動産を相続させる必要がある。)
A→亡B→Eと所有権が移転した場合、このとおり所有権移転登記を行うのが原則であるが、相続登記において、中間の相続が単独相続の場合、中間の登記を省略できる。
中間の相続が単独相続というのは、相続人が一人というだけではなく、遺産分割によって不動産を相続する相続人が一人となった場合も含む、というのが実務上の取り扱いである。
この場合、中間の相続登記を省略して、被相続人(所有権登記名義人)から、直接、現在の相続人(不動産を最終的に相続した相続人)に相続登記ができる。
本例の場合でいえば、A→亡Bへの相続登記が省略でき、A→Eの相続登記ができる、ということになる。
この場合の登記原因は
平成○年○月○日 B相続(日付は被相続人Aの死亡日)
令和元年○月○日 相続(日付は被相続人Bの死亡日)
となる。
Dil Kho Gaya
熱い。
連日、立川市から、「熱中症に注意」というメールが送られてきてる。
法定相続情報証明のために戸籍謄本等を取得するとき、職務上請求書を使用するが、「業務の種類」や「具体的事由」の欄に書くことが、結構長い。
某金融機関で預貯金の相続手続きをするとき、法定相続情報証明書か戸籍謄本等か、どちらがいいのか聞いてみた。
そうしたら、どちらでもいいが、兄弟姉妹が相続人でしかも代襲相続が起こっているような場合は、法定相続情報証明書の方が助かる、と言っていた。
某役所に相続人の戸籍謄本等を請求していた。
その相続人は、A市→B市と転籍しており、現在戸籍はB市で、A市は除籍、改製原である。
なので、A市に改製原戸籍謄本等を請求した。
そうしたら、相続人は生存しているのだったら、A市での改製原を出すのは難しい…とか、言われた。
相続人の場合、現在戸籍で用は足りるので、改製原がなくてもいいかと思い、だったら交付不要と答えた。
法定相続情報証明の手続きが完了し、法定相続情報一覧図の写し(法定相続情報証明書)が取れたので、いくつかの金融機関に、預貯金の相続手続のための残高証明書を取得しに行った。
汗拭きタオル2つ持って行ったが、2つとも汗でびしょ濡れ…。
預貯金の相続
預貯金の相続について
相続人複数、遺言書なし、相続税申告なし、の場合。
各金融機関のサイトを見ておく。
亡くなったことを各金融機関に伝える(電話あるいは店舗に行く)。
店舗に行ったら、今後の手続きに必要な書類をもらっておく。
被相続人の出生からの戸籍謄本等、相続人の戸籍謄本等を取る。
相続人の印鑑証明書も取っておく(後の、遺言書検索、残高証明書、遺産分割協議、金融機関での相続手続きに使う)。
法定相続情報証明を使う場合は、その手続を行う。
代襲相続がある場合は、使ったほうがいいかも。
公正証書遺言の検索ができるので、しておいた方がいいと思ったら、しておく。
各金融機関で、残高証明書の手配をする。
相続人代表を決めて、その人が手続きをすればいい。
残高証明書の手続きをする人の印鑑証明書や本人確認書類も必要となる。
残高証明書は、死亡日のものを取る。
死亡日以降にも預貯金の変動があるような場合、最新の残高証明書も取っておいたほうがいいのかなとは思う。
残高証明書は、すぐ発行されたり、郵送で届いたりと、金融機関によって違う。
残高証明書は、有料。
残高証明書をもとに、遺産目録を作成。
相続する遺産を分かるようにしておく。
遺産分割協議
相続人間で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する。
通常、遺産分割協議書は、相続人全員分作成し、相続人が署名し実印を押し、相続人全員分の印鑑証明書を用意する。
例えば、相続人が3人で遺産分割協議をした場合、遺産分割協議書を3通作成し、それぞれに署名押印し、印鑑証明書も3通用意する。
預貯金を複数の相続人が相続する場合は、金融機関で手続きをする相続人代表を決め、遺産分割協議書に記載しておくといい。
この場合、決めておくこと。
相続人代表
相続人代表がすること(預貯金の解約、払戻金の受領)
各相続人への引渡方法(各相続人が指定する口座への振込み)
端数の処理方法(預貯金の額に相続分をかけたときに小数点以下の端数が生
じた場合は、誰の分を切捨て、誰の分に上乗せするか)
金融機関に提出する書類(相続届書等、金融機関によって違う)に記載する。
各金融機関に行って相続手続きをする。
予約制の金融機関もあるので、そういう金融機関は予約する。
相続人代表を決めた場合は、金融機関へは相続人代表が行けばいい。
必要なものについては、金融機関の書類やサイトで確認。
被相続人及び相続人の戸籍謄本等、または、被相続人の法定相続情報証明書
遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書(6ヶ月以内等の期限あり、要確
認)、相続人代表の実印
金融機関に提出する相続届書等の書類
通帳、キャッシュカード、証書
手続き後、各金融機関から、払戻金が相続届書等に記載した口座に振込まれる。
払戻金を現金で受領したい場合は、事前に金融機関に確認しておく。
金融機関によっては、現金はダメとか、現金受領の場合は事前に連絡をしておくとか、いろいろあるので。
相続人代表は、全ての金融機関から払戻金を受領したら、遺産分割協議書に従い(遺産分割協議書に記載がなかったら相続人で決めた方法に従い)、各相続人に対して、相続金を引渡す。
ゆうちょ銀行の場合
相続で払戻金を受取る口座は、ゆうちょ銀行のみ。
なので、ゆうちょ銀行の口座がない場合は、ゆうちょ銀行で口座を作ってその口座に払戻金を振込んでもらう。
あるいは、払戻証書の交付を受け、それをゆうちょ銀行の窓口に持っていって、現金を受領する。
当事者全員が成年被後見人の相続登記
当事者全員が、成年被後見人という相続登記があった。
亡くなった被相続人と相続人が全員成年被後見人であり、しかも、成年後見人は、全て専門職だった。
あり得なくもないのだが、実際直面すると、ちょっと驚く。
注意点というか、これはどうなんだ?ということ。
(1)代理権
成年後見だったので気にしなかった。
普通に、成年後見人から、相続登記の委任を受ければいい。
(2)遺産分割協議書の押印
後見登記事項証明書上、専門職後見人の住所が事務所になっている場合の、遺産分割協議書の押印・印鑑証明書は、個人の実印・市区町村長発行の印鑑証明書になるのか、あるいは、東京家庭裁判所(同立川支部も)への届出印とその印鑑証明書でいいのか。
東京家裁では、成年後見人等の印鑑証明書の運用が始まったので、こういう疑問が生じるわけである。
なお、東京家裁の案内によれば、この家裁の印鑑証明書は、不動産登記用とのこと。
結論からいえば、今回は、事前に法務局に照会をし、「家庭裁判所への届出印の押印と家庭裁判所の発行するその印鑑証明書」でいいということになった。
(法務局への照会のときは、家裁の印鑑証明書でいいと考える、という私見を付した。)
遺産分割協議書において、家裁の印鑑証明書でいいかどうかについては、申請前に、法務局に確認しておいたほうがいいと思われる。
また、今回は、不動産登記のみだが、預貯金等の相続手続もある場合も、家裁の印鑑証明書でいいのかは不明である。
(3)被相続人の同一性の証明のための書類
今回、被相続人の戸籍、戸籍の附票(除附票、改製原附票)、除票を取っても、登記上の所有権登記名義人の住所と被相続人の最後の住所が一致しなかった。
登記済証もないという。
そうなると、「同一人であることの上申書」と「固定資産税の納税通知書」ということになるかなと思った。
今回の場合、幸いにも、被相続人とその配偶者(つまり相続人)が同じ成年後見人だったので、その成年後見人に納税通知書があるかどうかを聞いてみたら、成年後見人はそれを持っていたので、それをもらった。
そうしたら、あっ、と思った。
専門職が成年後見人になった場合、書類の送付先を、成年後見人の事務所にする。
なので、この納税通知書の宛先が成年後見人の住所になっていたのである。
納税通知書には、「成年後見人の事務所・被相続人の氏名・成年後見人の氏名」が記載されており、被相続人の住所の記載がない。
この場合でも、納税通知書でいいのだろうか。
そういうわけで、被相続人の同一性確認のための書類について、法務局に相談をした。
被相続人の成年後見人が、その配偶者(つまり相続人)の成年後見人もしている(ようは、夫婦で同じ人が成年後見人になっていた)、という事情も述べた。
この場合は、相続登記なので被相続人や相続人の戸籍謄本等を添付したうえで、「同一人であることの上申書、納税通知書、配偶者の後見登記事項証明書」ということになった。
成年後見と遺産分割協議書(2)
相続登記において、成年後見人が、遺産分割協議書に署名押印(印鑑証明書添付)する場合。
成年後見人の押印と印鑑証明書は、家庭裁判所に届けた印鑑の押印とその家庭裁判所の発行する印鑑証明書でいいか、ということを先日書いた。
このことについて、某法務局に、質問をした。
私見は、「家庭裁判所に届けた印鑑の押印と、家庭裁判所の発行する印鑑証明書で可」というものである。
その法務局からは、「それでいい」ということだった。
というわけで、今後はそうしていこうと思う。
しかし、遺産分割協議書に不動産の他、例えば預貯金について記載されていた場合、預貯金等の相続手続でも家裁の印鑑証明書でいいかは、確認していないので不明である。
家裁の注意事項によると、この家裁の発行する印鑑証明書は、不動産登記用、東京法務局管内限定とのことなので、東京以外の法務局に登記申請するときは、事前に確認することとなる。
この家裁の印鑑証明書でいうところの不動産登記とは、売買による所有権移転登記等、つまり、登記義務者として印鑑証明書を添付する場合のものと、思っていた。
なので、相続登記、つまり、遺産分割協議書の印鑑証明書とは趣旨が違うのかなと思っていた。
しかし、遺産分割協議書の印鑑証明書について規定がなく、また、家庭裁判所という官公署が証明するのだから、問題はないのだろうと思っていた。
戸籍謄本を取る
立川駅周辺を歩いていたら、大学の卒業式だったんだなという服装の人をみかける。
多摩モノレール沿線には、いくつか大学があるから、その卒業生だろうか。
これから「追いコン」かな、と思ったり。
っつか、自分の頃が懐かしい。
学位授与式(卒業式)に出て。
自分のときは、卒業式の会場は日本武道館だった。
そこからキャンパスに戻って、大学から学位記をいただいて。
その後、所属サークルやゼミの追いコンに出て。
終わったら、解散。
それぞれの道へと…。
もう3月も終わり。
相続のとき、被相続人の出生からの戸籍を取って、相続人を特定していく。
戸籍謄本等の管轄は、本籍地のある自治体なので、そこ宛てに請求をする。
市町村合併等が繰り返されているので、本籍地が今はなき市町村町の場合、それが今はどこの市町村町になるか確認をする必要がある。
今はネットがあって、検索すれば分かるので、大変助かる。
以前は、市町村便覧みたいなのがあって、それを見て確認し、そして、念のため、その自治体に電話して、本籍地があっているかどうか確認していた。
現行の民法上、法定相続人は、次のとおり。
(1)子供・配偶者(代襲相続で、孫・ひ孫…)
(2)親・配偶者
(3)兄弟姉妹・配偶者(代襲相続は、その子供(甥・姪)まで)
被相続人の死亡年月日に注意。
被相続人の相続人や法定相続分は、死亡時に施行されている民法に基づくので。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等を取得する。
それで、配偶者や、被相続人の子供(養子も)がいたら、それで相続人確定。
認知している子供もいる場合があるので、注意。
子供が先に死んでいたら、孫の戸籍謄本等を取る。
養子の場合、養子縁組日にも注意。
というのも、養子縁組前にその養子に子供がいた場合、養子が被相続人より先に死んでいても、その養子の子は代襲相続人ではないので。
被相続人に子供がいない場合、両親の戸籍を取っていく。
それで両親が生きていたら、相続人確定。
両親が死んでいたら、年齢にもよるが、祖父母まで遡る。
子供も両親もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹の戸籍謄本等を取っていく。
被相続人の兄弟姉妹とは、被相続人の父と母の子供ということなので、もし両親が結婚する前に他の人と結婚していて子供がいたら、その子供も相続人になる。|
なので、両親の出生からの戸籍謄本を取って、両親の子供を探していくこととなる。
兄弟姉妹が先に死んでいたら、その子供が代襲相続人になるので、そも子供の戸籍謄本等も取る。
戸籍謄本は、郵送で請求することが多い。
このとき、戸籍謄本等の手数料として、郵便局で定額小為替を買って、それも入れて送る。
郵送による戸籍謄本等の請求方法については、各自治体のWebサイトで確認できる。
本籍地がずっと同じなら一度の請求で済むが、転籍を繰り返していると、その都度、その自治体に請求しないとならない。
そんな感じで、戸籍謄本等を取っていく。
成年後見と遺産分割協議書
普段リュックを使っている。
リュックは背負うものだが、例えば、電車の中では、特に混雑時には、背負わずに、前に抱えている。
ちなみに、海外の話ということだが、リュックを背負っていると、後ろからリュックをガッとひったくられるので、安全上の理由から、リュックは前に抱えるほうがいい、ということを聞いたことがある。
それはさておき…
電車を降りたら、前に抱えていたリュックを背負い直すのだが、これが、結構邪魔というかめんどい。
先日、ネットを見ていたら、学天即という漫才コンビの奥田さんが、前に抱えているリュック後ろに直す方法を紹介していた。
これ、いいかも、と思い、早速、自分でも実践してみたが、確かにこれはいい。
いちいち、リュックおろして背負い直すことをしなくていいので、楽だ。
その方法はというと…。
前に抱えているリュックの肩ひもの内側で、両手を交差させ、そのまま両手をあげる。
被相続人が亡くなり、相続人間で遺産分割協議をして、遺産分割協議書を作成するとき。
遺産分割協議書には、相続人の実印と印鑑証明書(市区町村長発行のもの)が必要となる。
相続人の中に、成年被後見人がいる場合は、その成年後見人が遺産分割協議を行い、遺産分割協議書に署名・押印し、印鑑証明書を添付する。
相続登記を申請する場合は、申請書に遺産分割協議書と印鑑証明書を添付する。
なお、保佐人・補助人の場合は、遺産分割協議に関する代理権が付与されていれば、保佐人・補助人として、遺産分割協議をすることとなる。
遺産分割協議書の印鑑証明書というのは、法令上根拠のあるものではなく、その協議書の真正担保のために、要求されているものである。
一方、例えば、売買による所有権移転登記のような場合、登記義務者の印鑑証明書が必要だが、これは、法令(不動産登記令16条2項)上、要求されている。
東京家庭裁判所において、家庭裁判所(の書記官)が発行する成年後見人の印鑑証明書という制度が、昨年から始まった。
これは、事務所を住所としている専門職用で、また、不動産登記用だという。
となると、遺産分割協議書に、この家庭裁判所の印鑑証明書を使用してもいいのだろうか。
遺産分割協議書に成年後見人が家庭裁判所に届けた印鑑を押印し、家庭裁判所の印鑑証明書を添付して相続登記を申請しても大丈夫なのだろうか。
もし、遺産分割協議書に、不動産以外の財産、例えば、預貯金のことについても記載されている場合、家庭裁判所の印鑑証明書でも預貯金の相続手続に使用できるのだろうか。
遺産分割協議書の印鑑証明書については、法令上の根拠がないので、家庭裁判所への届出印が押印と家庭裁判所の発行する印鑑証明書で、相続登記は大丈夫だと、個人的には考えている。
機会があったら、法務局にも聞いてみようと思う。
仕事納め
先日、本籍を「~百~」と書いて提出した。
役所から連絡、「本籍合ってる?」
え~と、見直す。
あ…
古い縦書きの戸籍を見て書いたのだが、よく見たら、「百」ではなく、「丁目」だった。
「丁目」と縦で小さくつながったように書かれていたので、「百」と見えてしまっていた。
(昔に書かれた文字は、何て書いてあるかよく分からないことがある…。)
本日で仕事納め。
ってなことで、平成30年(2018年)も、残すところあと数日。
本年も、ありがとうございました。
来年も、宜しくお願い申し上げます。
継子男って何?
戸籍を見ていたら、「継子男」と出てきた。
何これ?
時は、旧民法より前の時代からの伝統に基づく家制度。
継子とは、再婚相手の子供で、婚姻の当時配偶者の家にある者または婚姻中にその家に入った者をいう。
夫A、妻B(A家の戸籍に入る)、その子供C(A家の戸籍)
妻B死亡
夫Aは妻Dと再婚(DはA家の戸籍に入る)
このとき、CはDにとって、継子となる。
逆は、継親。
継親が戸主の場合、戸主から見た男子の継子は「継子男」、女子の場合は「継子女」という。
この親子関係のことを継親子関係という。
この継親子の効果は、継親と継子との間に、実の親子と同一の関係が生じることである。
なので、継親Dが亡くなった場合、継子Cは相続人となる。
しかし、この継親子は、新民法により廃止された。
従って、新民法施行後にDが亡くなった場合、Cは相続人とはならなくなった。
ところが、新民法附則第26条1項により、ある一定の条件を満たせば、応急措置法施行後は、新民法施行後にDが死亡した場合でも、Cは相続人となる。
新民法附則 第26条1項
応急措置法施行の際における戸主が婚姻又は養子縁組によって他家から入った者である場合には、その家の家附の継子は、新法施行後に開始する相続に関しては、嫡出である子と同一の権利義務を有する。
新民法施行:昭和23年1月1日
応急処置法施行:昭和22年5月3日午前0時
上記の例でいえば、附則26条1項の要件を満たしていれば、Dが新民法施行の昭和23年1月1日以降に亡くなった場合でも、CはDの相続人となる、ということである。
つまり、新民法が施行されたが、もともと継親子関係だったのだから、相続においては、その継親子関係は認めて継子も相続人になるよ、ということであり、新民法施行後に開始した相続において、旧民法も適用されるケースとなる。
「事例でわかる 新旧民法が交差する相続に関する法律と実務」(日本加除出版、司法書士末光祐一著)という本があったので、買ってみた。
遺言書保管法
なんだかんだと、もう10月。
今年もあと約3ヶ月。
年賀状の案内も来たりして、もうそういう時期か…。
法務局における遺言書の保管等に関する法律(略して、遺言書保管法)が成立した。
施行は、公布の日(平成30年7月13日)から2年以内とのこと。
まだ、施行されていない。
従いまして、本内容は、本法律の施行後のことであり、今適用されるものではありませんので、ご注意願います。
自筆証書遺言を、法務局で保管する制度。
遺言書は、法務省令で定めた様式に従って作成された自筆遺言証書で、封のされていないもの。
遺言保管事務は、法務大臣の指定する法務局(遺言書保管所)が取扱う。
遺言書保管所における事務は、遺言書保管官が取扱う。
遺言書は、原本保管と画像データ管理されるとのこと。
遺言書の保管は、遺言者が遺言保管所に出頭して申請しなければならない(出頭主義)。
何人も、特定の死亡している者について、自己(請求者)が相続人、受遺者となっている遺言書(関係遺言書)が遺言書保管所に保管されているかどうかを証明した書面(遺言書保管実証明書)の交付を請求することができる。
遺言者の相続人、受遺者等は、遺言者の死亡後、遺言書の画像情報を用いた証明書(遺言諸情報証明書)の交付請求及び遺言書原本の閲覧請求をすることができる。
遺言書保管所に保管されいている遺言書については、家庭裁判所の検認不要。
遺言書の保管の申請、遺言書の閲覧請求、遺言諸情報証明書、遺言書保管事実証明書の手続きをするときは、手数料がかかる。
また、民法の自筆証書遺言の規定も改正され、平成31年1月13日から施行される(民法968条)。
現行、自筆証書遺言は全て手書きだが、この点が改正される。
自筆証書遺言に財産目録をつける場合は、その財産目録の部分はパソコン等で作成したものでもかまわないとのこと。
ただ、この場合は、遺言者は、各ページごとに署名押印しなければならない。
両面印刷している場合は、その両面に署名押印する。
財産目録の部分は、パソコンで作成してもよくなるとのことで、通帳のコピーでもいいようだ。
現状、自筆証書遺言より公正証書遺言を勧めている。
その理由の一つが、自筆証書遺言は全部手書きだし、公正証書遺言は公証役場で保管されるし、家庭裁判所の「検認不要」だからである。
但し、公正証書遺言の方が費用がかかる。
しかし、民法改正により、自筆証書遺言の方式が緩和され、そして、この遺言書保管法施行後は、公正証書遺言における公証役場と同じような機能を遺言書保管所がもち、なおかつ、本法律に従って保管された自筆証書遺言は検認不要となる。
それに、費用の点からみたら、公正証書遺言よりも、遺言書保管法に基づいて自筆証書遺言を作成し、保管申請したほうが、安くなると思われる。
公正証書遺言の場合は、公証役場に支払う手数料や証人に支払う謝礼等で結構費用はかかるが、自筆証書遺言の場合は、遺言書は遺言者が自分で作成するので費用はかからないし、かかるとしたら、遺言書の保管申請時の手数料でしょう。
そういうわけで、遺言書保管法施行後は、本法律に従った自筆証書遺言も勧めていってもいいかなと思う。
自筆証書遺言の保管に関する手続きは、法務局(遺言書保管所)に対するものなので、これは司法書士業務の一つとなるでしょう。
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