法定相続分による相続登記後の遺産分割協議
なんだかんだと、もう11月になった。
早いな。
法定相続分による相続登記は、各相続人から単独で申請ができる。
例えば、被相続人の法定相続人が子供A・B・Cの場合、Aが単独で、持分1/3A、持分1/3B、持分1/3C、という登記を申請できる。
但し、この場合、登記申請人となるAには、登記識別情報が発行されるが、申請人ではないB、Cには、登記識別情報は発行されないので、注意を要する。
その後に、ABC間で遺産分割協議が成立し、Aが不動産を取得したとする。
この場合、Aが単独で、年月日遺産分割を原因とする、所有権更正登記が申請できる。
令和5年3月28日の通達で、令和5年4月1日より、このように取り扱うこととなった。
それ以前は、この場合は、年月日遺産分割を原因とする、所有権移転登記をしていた。
法定相続分での相続登記がされている場合において、次に掲げる登記をするときは、所有権の更正登記によることができるものとした上で、登記権利者が単独で申請することができるものとする。
1 遺産の分割の協議または審判もしくは調停による所有権の取得に関する登記
2 他の相続人の相続の放棄による所有権の取得に関する登記
3 特定財産承継遺言による所有権の取得に関する登記
4 相続人が受遺者である遺贈による所有権の取得に関する登記
この更正登記は、持分が増えるAを登記権利者、持分が減るBとCが登記義務者となるが、Aの単独申請が可能なため、BとCについては、登記識別情報や印鑑証明書といった書類がいらないこととなる。
但し、登記原因証明情報として、遺産分割協議書やそこに押印した相続人BとCの印鑑証明書は必要となる(Aはなくていい)。
また、更正登記は、登録免許税が、不動産一個につき1,000円である。
なので、従前の所有権移転登記の場合に比べれば、登録免許税の負担が減ることとなる。
なお、所有権更正登記は、原則として共同申請であり、登記義務者に登記識別情報や印鑑証明書が必要となる。
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