ホーム » 2024 » 7月 » 12

日別アーカイブ: 2024年7月12日

住民票について

不動産登記において、売買や相続等の所有権移転登記における権利者の住所証明書として、住民票を使う。
また、住所変更登記をするときにも、住所の変更証明書として住民票を使う。

とある自治体のサイトを見ていたら、令和6年1月4日から、自治体の住民記録システムを標準仕様に更改したことにより、住民票に記載される内容が、これまでと変わったとのこと。
全ての自治体が変わったのかどうかは分からないが、以下のように変わったとのこと。

「転入前住所」というものが新設されたとのこと。
今住んでいる自治体の前の自治体の住所が表示される。
同一自治体内で移転しても、前の自治体の住所は表示される。
今の住所は立川市だが、その前が八王子市の場合は、八王子の住所が記載されるということのようだ。

同一自治体内で転居の場合、以前は、前住所欄に記載されていたが、今後は記載されない、但し、請求されれば、異動前住所に記載されるとのこと。

また、住民票を窓口とコンビニとで取る場合では、「前住所」につき、違いがあるとのこと。
(1)窓口で取る場合
現在の住所と、その一つ前の住所が記載されるが、同一自治体内で移転している場合は、請求すれば、その履歴が記載される。
同一自治体内で数度移転していても、その前に他の自治体から移転してきた場合は、直前の自治体の住所も記載される。

(2)コンビニで取る場合
現在の住所と、その一つ前の住所が記載される。
同一自治体内で移転していても、現在の住所の一つ前の住所が記載される。

この「前住所」は、住所変更登記をするときには、必要となってくる事項である。
登記上の住所から現住所まで、住所の変遷を証明しないといけないからだ。

とはいえ、司法書士が住民票を取る場合は、依頼者から登記の委任を受けて、職務上請求書で窓口(あるいは郵送)で取るので、窓口とコンビニの違いは、気にしたことはなかった。
それに、住所の変遷の証明のためには、戸籍の附票のほうが使える場合が多いので、戸籍の附票を取ってしまうし。

コンビニでの住民票は、自身でしか取れないのだから、住所変更登記のために自身で住民票を取る場合に、気をつける必要がある。
コンビニで住民票を取ったものの、それが住所変更登記では使えない場合もあるので、住所変更用の登記の住民票は、窓口で、住所の履歴を全て記載とか言って取るのがいいだろう。

住所の移転:立川市曙町(登記上の住所)→立川市羽衣町→立川市錦町(現住所)の場合。
コンビニでとる住民票は、羽衣町の住所しか記載されない。
しかし、住所変更登記には、曙町の住所も必要なので、このときは、市役所の窓口で、市内での住所移転履歴が記載された住民票をとる。

コンビニで取る住民票には、現在の住所の一つ前の住所が記載されるのだから、現住所の直前の住所が登記上の住所のときは、コンビで取る住民票でも、住所変更登記に使えることとなる。