ホーム » 2024 » 7月

月別アーカイブ: 7月 2024

住民票について

不動産登記において、売買や相続等の所有権移転登記における権利者の住所証明書として、住民票を使う。
また、住所変更登記をするときにも、住所の変更証明書として住民票を使う。

とある自治体のサイトを見ていたら、令和6年1月4日から、自治体の住民記録システムを標準仕様に更改したことにより、住民票に記載される内容が、これまでと変わったとのこと。
全ての自治体が変わったのかどうかは分からないが、以下のように変わったとのこと。

「転入前住所」というものが新設されたとのこと。
今住んでいる自治体の前の自治体の住所が表示される。
同一自治体内で移転しても、前の自治体の住所は表示される。
今の住所は立川市だが、その前が八王子市の場合は、八王子の住所が記載されるということのようだ。

同一自治体内で転居の場合、以前は、前住所欄に記載されていたが、今後は記載されない、但し、請求されれば、異動前住所に記載されるとのこと。

また、住民票を窓口とコンビニとで取る場合では、「前住所」につき、違いがあるとのこと。
(1)窓口で取る場合
現在の住所と、その一つ前の住所が記載されるが、同一自治体内で移転している場合は、請求すれば、その履歴が記載される。
同一自治体内で数度移転していても、その前に他の自治体から移転してきた場合は、直前の自治体の住所も記載される。

(2)コンビニで取る場合
現在の住所と、その一つ前の住所が記載される。
同一自治体内で移転していても、現在の住所の一つ前の住所が記載される。

この「前住所」は、住所変更登記をするときには、必要となってくる事項である。
登記上の住所から現住所まで、住所の変遷を証明しないといけないからだ。

とはいえ、司法書士が住民票を取る場合は、依頼者から登記の委任を受けて、職務上請求書で窓口(あるいは郵送)で取るので、窓口とコンビニの違いは、気にしたことはなかった。
それに、住所の変遷の証明のためには、戸籍の附票のほうが使える場合が多いので、戸籍の附票を取ってしまうし。

コンビニでの住民票は、自身でしか取れないのだから、住所変更登記のために自身で住民票を取る場合に、気をつける必要がある。
コンビニで住民票を取ったものの、それが住所変更登記では使えない場合もあるので、住所変更用の登記の住民票は、窓口で、住所の履歴を全て記載とか言って取るのがいいだろう。

住所の移転:立川市曙町(登記上の住所)→立川市羽衣町→立川市錦町(現住所)の場合。
コンビニでとる住民票は、羽衣町の住所しか記載されない。
しかし、住所変更登記には、曙町の住所も必要なので、このときは、市役所の窓口で、市内での住所移転履歴が記載された住民票をとる。

コンビニで取る住民票には、現在の住所の一つ前の住所が記載されるのだから、現住所の直前の住所が登記上の住所のときは、コンビで取る住民票でも、住所変更登記に使えることとなる。

債権者代位による登記

なんだかんだと7月。
今日は、立川市も熱い。
最高気温が、35.5度とのこと。


民法第423条第1項
債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りではない。

A→債権→B→債権→Cというようなとき、BがCに対して権利行使してくれればAの権利が保全できるのにBがこれをしない場合、AがBに代わって、Cに対して権利行使をすること。


不動産登記においても、この債権者代位が登場してくることがある。
債権者代位による登記、なんていう。
例えば、債権者が競売を申し立てようとしたところ、不動産の所有者が死亡しており相続登記がされていない場合、債権者が債権者代位によって、相続登記をする、こととなる。

夫A妻Bが離婚し、Aが自己名義の不動産をBに財産分与をすることとなり、財産分与による所有権移転登記をするとする。
このとき、Aの現在の住所や氏名が、登記上の住所と氏名と代わっている場合は、A→Bへの所有権移転登記の前提として、Aの住所や氏名の変更登記をする必要がある。

AとBの協議で離婚や財産分与が成立し、登記もAとBとで共同申請が可能なような場合は、Aは住所や氏名変更登記に協力しないということはないだろう。

一方、離婚や財産分与が調停により成立し、Aの調停調書上の住所や氏名と登記上の住所氏名が違う場合、調停条項の中で、Aは住所や氏名の変更登記をしなければならない、というようなことが決められていればいいが、そうではない場合は、どうすればいいか。
Aに住所や氏名変更登記をするように頼んでも、Aがそれをしなければ、Bが自分名義に所有権移転登記ができない。
これでは、Bは困るし、調停条項を履行できない。
それに、そもそも、調停で離婚した相手に、住所や氏名変更登記を頼むのか、ということもある。

こういうときに、この債権者代位を使う。
この場合は、Aが申請するAの住所や氏名変更登記を、Bが代位して申請することができる。
そして、Bが、単独で、調停調書に基づき、A→Bの所有権移転登記を申請する。
つまり、この場合は、Bが単独で、Aの住所や氏名変更登記と、A→Bの所有権移転登記を申請することができる。

この債権者代位による登記は、申請書には被代位者や代位者と代位原因を記載し、代位者と代位原因が登記されるので、登記事項証明書等には、代位者と代位原因が記載されている。
なので、登記事項証明書等を見たら、債権者代位による登記かどうかは分かる。

上記の財産分与の例でいえば、
被代位者:A
代位者:B
代位原因:○年○月○日財産分与による所有権移転登記請求権(日付は財産分与の成立日)
となり、登記事項証明書等の住所や氏名変更登記の欄には、代位者と代位原因が登記される。