暑い。
MacOSでオンライン申請はできるかどうか試そうと思い、申請用総合ソフトをインストールしようとしたら、できなかった。
成年後見監督人(以下、監督人、とする)がいる場合に、成年被後見人(以下、被後見人、とする)が亡くなったとき、監督人は何をするか。
その前にまず、成年後見人(以下、後見人、とする)がすることをあげてみる(細かいところは省略)。
成年後見人としているが、保佐人・補助人の場合も同様である。
但し、保佐人・補助人の場合、財産に関する権限がある場合とない場合があるので、そこに違いはある。
(1)家庭裁判所に、被後見人が亡くなったことを伝える(電話する)
その後、死亡診断書や死亡記載のある戸籍謄本等を提出する。
死亡記載のある戸籍謄本等は、死亡届を出してからある程度の日数が経過しないと取得できない。
(2)後見終了の登記を申請する
被後見人が死亡したら、後見は終了するので、東京法務局に終了の登記を申請する。死亡したことを証するため、申請書に死亡診断書か被後見人の死亡記載のある戸籍謄本等を添付する。
但し、法務局が住基ネットで死亡を確認できるときは、死亡記載のある戸籍謄抄本等の添付を省略できる。現在、全国の自治体と住基ネットでつながっているので、被後見人の死亡記載のある戸籍謄抄本等は不要とのこと。
なので、終了の登記申請は、被後見人の死亡記載のある戸籍謄抄本等を取得できる頃に申請するのがいいと思う。
書面で郵送申請も可。オンライン申請も可。
(3)被後見人の相続人の調査
(4)後見の計算
後見人の任務が終了したときは、後見人又はその相続人は、2箇月以内にその管理の計算(後見の計算)をしなければならない。但し、この期間は、家庭裁判所において伸長することができる(民870)。
後見の計算とは、後見開始時から任務終了までの間のすべての財産の収入と支出の計算のことをいう。そして、後見人はその計算結果を相続人に報告することとされている。
後見人は、就任以降、定期的に家庭裁判所に後見事務報告をしているので、その分に、直近に家庭裁判所に報告した期間の最後の月の翌月から死亡日までの分を加えたら、開始から終了までの間の収支の計算となる。
なので、これまで定期的にしてきたと同様に、直近に家庭裁判所に報告した期間の最後の月の翌月から死亡日までの後見事務報告の準備をする。そして、それにこれまでの分を合わせて、相続人に後見の計算の報告をする。
(5)家庭裁判所への報告
直近に家庭裁判所に報告した期間の最後の月の翌月から死亡日までの後見事務について、家庭裁判所に報告をする。報酬付与申立てをする場合は、同時に報酬付与申立書等も提出する。
(6)報酬の受領(報酬付与申立てをしなければ、これはない)
家庭裁判所から報酬付与の審判書が届いたら、後見人として管理していた被後見人の財産から報酬を受領する。
(7)相続人へ管理財産の引き継ぎ
報酬受領後の被後見人の財産を、被後見人の相続人に引継ぐ。引継いだ相続人から引継書等の書面をもらい、それを家庭裁判所に提出する。
監督人は、後見人の事務を監督すること等が職務なので(民851)、上記の後見人の事務を監督することとなる。必要に応じて、後見人に指示したり、問合せに応じたり、アドバイスをしたりする。
具体的には、以下のようなことをすることになる。
被後見人が死亡した後に後見人がなすべきことを分かっていればいいが、そうでなければ、監督人が説明してあげるのがいいと思う。
上記(2)の終了登記申請は、監督人からも申請できるので、してもいい。
上記(4)の後見の計算については、後見監督人があるときは、その立会いをもってしなければならない(民871)とある。なので、監督人は、後見の計算に立会わなければならない。
とはいえ、後見人が後見の計算をしているその場に監督人が立会うことは現実的ではないだろう。
監督人は、これまで後見人から定期的に事務報告を受けて確認しているし、最後の期間の報告も受けて確認をする。なので、監督人としては、最後の期間の報告を受けて、これを後見人に確認することで立会いとする、ということでもいいと思われる。
また、相続人へ報告するときは、後見人と監督人の連名とすることになろう。
(このあたりのことは、こういうふうにしなければならない、というものはない)
上記(5)については、後見人は監督人に報告をし、監督人が家庭裁判所に報告をする。監督人が報酬付与申立てをする場合は、報酬付与申立書も提出。
後見人が報酬付与申立てをするときは、監督人がこれを預かって、監督事務報告書等と一緒に提出するのがいいようである。
家庭裁判所としては、その方が監督人が後見事務を確認したかどうかがわかるし、後見人が先に報酬付与申立てをしても、監督人からの報告がないと報酬の審判は出せないとのことなので。
上記(7)については、後見人が相続人に財産を引継ぐ場に立ち会うことになろう。
監督人の業務については、この書籍を参考にしている。
成年後見監督人の手引き(日本加除出版株式会社)
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