毎日、暑い。
横書き日本語文書の読点で、「、」と「,」、どちらを使うか、ということである。
何を言ってんだ、と思う人もいるかもしれないが、実は、我が国の公用文では、横書きの読点は、「,」を使うとなっている(昭和27年内閣官房長官依命通知)。
裁判所の文書もそうだ。
だからだろう、弁護士さん作成の文書は「,」を使っている人が多いと感じる。
とはいえ、全ての公的機関の文書の読点が、「,」となっているわけでもない。
自治体からの文書でも、「、」が使われている。
少なくとも、義務教育だと句読点は「、」と「。」で習っているし、これをずっと使っているので、公文書で読点は「,」を使うと知ったときは、驚いた。
漢字や平仮名の後に来る読点がカンマの文章って、慣れのせいもあろうか、なんか読み辛く、違和感を抱く。
カンマって、前に戻るような記号だし。
自分が文章を作成するときは、昭和27年の通知等の公用文の作成要領を参考にしているが、それでも読点は「、」を使っている。
ネットで検索したところ、令和3年3月12日の文化審議会国語分科会の「新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)」、令和4年1月7日の文化審議会の「公用文作成の考え方(建議)」というのがあったので、見ていた。
公用文の作成については、昭和27年の通知が基準となっていたが、現実はそれとは違う使い方をしている場面も多いことから、文化庁では、その見直しがされ、基準が70年ぶりに変わったとのことである。
令和4年1月7日の文化審議会の「公用文作成の考え方(建議)」では、「句点には「。」読点には「、」を用いることを原則とする。横書きでは、読点に、「,」を用いてもよい。ただし、1つの文書内でどちらかに統一する」とあった。
ということで、今は、正式には、読点は「、」が原則となった。
最高裁のWebサイトで、令和4年4月12日の最高裁判決のPDFを見たら、読点が「、」になっていた。
同年3月の判決における読点は、「,」だったので、裁判所も、令和4年4月を機に、変わったのだろう。
個人的には、「、」の方が見慣れているし、読みやすいし、自分も使っているので、いいと思う。
他に、括弧についてもあり、括弧内に括弧を用いるときは、そのまま重ねて用いる、とあった。
但し、二重鍵括弧を使うこともある、と解説ではあった。
鍵括弧内の文章に鍵括弧を用いるときは二重鍵括弧にする、と覚えていたので、ここも変わる。
送り仮名についてもあった。
例えば、これまでの公用文作成要領では、「てつづき」については、「手続」と記載して、送り仮名の「き」を省く記載をするが、これも、学校で学んだ表記と同じように、送り仮名を省かずに書いてもいい、ということになった、とのこと。
これまで「申立手続」としていたが、これも、「申し立て手続き」にしてもいい、ということか。