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日別アーカイブ: 2019年9月24日

数次相続の相続登記

とある場所に座っていた。
隣に、若者二人連れが座っていて、話をしていた。
二人の会話が聞こえてくるので、聞くともなしに聞いていると、仕事の話かなと思っていたら、M1だのネタだのNSCだの…と聞こえてくる。
ああ、M1に出ようとしている芸人(漫才師)さんか…と思った。
それだけ。



数次相続とは、被相続人が死亡して相続(第1の相続)が発生して相続手続が終わらないうちに、その相続人が死亡して、その者にも相続(第2の相続)が発生したような場合をいう。
(更に、第2の相続手続が終わらないうちに第3の相続が発生、第4の相続が発生…と続く。)
第1の相続を一次相続、第2の相続を二次相続(第3以下同じ)、というので数次相続という。
被相続人Aの相続人がBとCで、Aの相続手続が終わらないうちに、Bが死亡したような場合のことをいう。
例えば、父・母・子供の家族で、父が死んで、父名義の不動産について相続登記をしないまま、母が亡くなったような場合。
ま、よくあるはなし。

この場合、被相続人Aの遺産分割協議は、Aの相続人のBとCとで行うこととなるが、Bは死亡していていないので、Bの相続人(DとEとする)が行うこととなる。
被相続人Aの相続人であるBの権利義務を、Bの死亡により、Bの相続人のDとEが承継する、ということになる。
つまり、被相続人Aの遺産分割協議は、CとDとEでする。
そして、被相続人Bの遺産分割協議は、DとEでする。
この場合の遺産分割協議書は、1つにまとめてもいいし、被相続人ごとに別々でもいい。

CとDとEの遺産分割協議で、被相続人Aの所有する不動産を、最終的に、Eが相続するとなった場合。
順番でいえば、CとDとEの遺産分割協議で、Aの不動産を亡Bが相続し、DとEの遺産分割協議で、その不動産をEが相続する、ということになる。
(EはAの直接的な相続人ではないので、最終的にEが不動産を相続する場合は、いったん亡Bに不動産を相続させる必要がある。)

A→亡B→Eと所有権が移転した場合、このとおり所有権移転登記を行うのが原則であるが、相続登記において、中間の相続が単独相続の場合、中間の登記を省略できる。
中間の相続が単独相続というのは、相続人が一人というだけではなく、遺産分割によって不動産を相続する相続人が一人となった場合も含む、というのが実務上の取り扱いである。
この場合、中間の相続登記を省略して、被相続人(所有権登記名義人)から、直接、現在の相続人(不動産を最終的に相続した相続人)に相続登記ができる。
本例の場合でいえば、A→亡Bへの相続登記が省略でき、A→Eの相続登記ができる、ということになる。

この場合の登記原因は
 平成○年○月○日 B相続(日付は被相続人Aの死亡日)
 令和元年○月○日 相続(日付は被相続人Bの死亡日)
となる。