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日別アーカイブ: 2018年2月27日

和解に代わる決定

とある過払訴訟。
期日直前に、相手から、取引分断だとか悪意ではとかいう答弁書が届いた。
なので、こちらも準備書面の準備をしようと思っていたら、相手から連絡があり、和解の話となった。
で、結局、和解が成立した。
相手は、取引分断とか言ってきていたが、和解の結果は、そういうのは関係なく、こちらの主張どおりであった。

訴外の和解か、和解に代わる決定かと聞かれた。

和解に代わる決定(民事訴訟法第275条の2)
1項 金銭の支払の請求を目的とする訴えについては、裁判所は、被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他なんらの防御の方法をも提出しない場合において、被告の資力その他の事情を考慮して相当であると認めるときは、原告の意見を聴いて、第三項の期間の経過時から五年を超えない範囲内において、当該請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払いの定めし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払いの定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをして、当該請求に係る金銭の支払を命ずる決定をすることができる。
2項 前項の分割払いの定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。
3項 第1項の決定に対しては、当事者は、その決定の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、その決定をした裁判所に異議を申立てることができる。
4項 前項の期間内に異議の申し立てがあったときは、第1項の決定は、その効力を失う。
5項 第3項の期間内に異議の申立てがないときは、第1項の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。

これは、簡易裁判所のみの取扱い(民事訴訟法の第8章、簡易裁判所の訴訟手続に関する特則のところに規定)。

本来は条文のとおりだが、過払訴訟においては、当事者間で和解が成立したが、被告が期日に出頭できないような場合に用いられる。
原告と被告間とで調整した和解案を裁判所に提出し、裁判官が決定を出す、ということになる。
その決定を出す期日には、原告は出頭することとなる。

一方、訴外和解の場合は、和解金が入金されたら、訴訟を取下げることとなる。
和解契約書には、和解金が振込まれたら訴訟を取下げる旨の定めを入れておく。
この場合、期日が入っていれば、期日を入金日以降の日に変更してもらうよう、裁判所に申請しておく。

訴訟が終るという点では、訴外和解も和解に代わる決定も同じだが、和解に代わる決定の場合、この「決定」は債務名義になる。
なので、もし支払われなかった場合、この決定に基づいて強制執行が可能となる。
一方、訴外和解の場合、和解どおり支払われなかったら、また訴訟をする必要がある。
そういった意味では、債務名義ができるという点で、和解に代わる決定の方がメリットはあるといえる。
被告の資金繰りについていい噂を聞かないとか、和解日から支払日まで長期間あるとかいう場合は、和解に変わる決定を用いた方がいいかなと思われる。

逆にいえば、問題なく支払えそうであるとか、和解日から支払日までそんなに間が空いていないとかであれば、訴外和解でもいいかと思う。
無論、先のことは分からないのではあるが…。