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今日から8月

遺言執行者になっている件で、遺言書どおり財産を渡し、終了となった。
あとは、相続人に対して、終了通知・報告書を送ることとなる。

子供がいない夫婦の場合、自分がなくなったら相手の配偶者に財産全部を相続させたいと思うなら、遺言をしておいたほうがいいと思う。
そうでないと、配偶者の一方が亡くなった場合、その被相続人に兄弟姉妹(あるいは甥姪)がいるとすると、残された配偶者とそれ以外の相続人とで遺産分割協議をしないといけなくなって、なんだかんだと大変になるかもしれないので。
それに、兄弟姉妹が相続人になる場合は、兄弟姉妹には遺留分はないので、財産全部を配偶者に相続させる遺言でいいわけである。

この場合、夫婦揃って遺言をしておいた方がいい。
内容は、自分が死んだら相手に相続させる、というものになるが、相手が先に亡くなった場合のことも決めておいた方がいいと思う。

また、遺言は、最初に費用はかかるが、公正証書でしておいたほうがいいと思う。
公証人が関与するし、原本が公証役場に保管されるし、自筆だと家庭裁判所の検認手続を経なければならないが、公正証書だとその手続が不要だし。

パソコンのデスクトップに、エイリアス(Mac)やショートカット等を配置する。
デフォルトだと、Macは右側に配置されるが、Winは左側に配置される。
ただし、好みの場所に配置することもできる。

最初はWinを使っていたので、左は位置があたりまえだった。
だが、Macにしてからは、これが右になって、Macは右なんだ〜と思っていたが、トラックパッドやマウスを右手で使うし、利き目との関係上、右側にあった方が使いやすいと思う。
となれば、トラックパッド等を左で使ったり、利き目が左ならが、左配置の方がいいのかもしれない。
なお、ネットで見たところ、appleは「デスクトップのアイコン右側配置」について特許をとっているのだとか。

個人的には、デスクトップにアイコン等がたくさん置かれていると、ゴチャゴチャしてなんだか汚くて見づらいので、デスクトップにアイコン等はなるべく置かないようにしている。
特に、Macにしてからは、そうなった。
ただ、その分、Dockに入れている。
それに、ランチャーを使って検索をかければ、必要なファイルが見つかるので、デスクトップに置かなくても済む。

ゆうちょ銀行の相続手続〜遺言執行者〜

連日、蒸し暑い日が続く。

遺言執行者による、ゆうちょ銀行の相続手続。

被相続人の財産に、ゆうちょ銀行の貯金があり、それを換金して相続人Aに相続させるという遺言がある。
遺言執行者が遺言書内で指定されており、上記の相続手続関する一切の権限が付与されている。
そんな場合の、遺言執行者によるゆうちょ銀行の相続手続について。
ゆうちょ銀行の相続手続については、ゆうちょ銀行のWebサイトを参照。

相続人から、通帳やカードを預かる。

遺言執行者は、近くのゆうちょ銀行へ行き、念のため、他にゆうちょ銀行の貯金等がないかの照会をする。
ゆうちょ銀行へ行くときは、被相続人の死亡記載のある戸籍謄本や遺言書等を持参する。
しばらくしたら、その照会の回答が送られてくる。

遺言執行者は、その回答に基づき、残高証明書(1通510円)を手配する。
しばらくしたら、残高証明書が送られてくる。

これに基づいて、財産目録を作成し、相続人へ交付する。
そしてこれが、遺言執行者が遺言執行をすることになる、ゆうちょ銀行の口座となる。

遺言は、ゆうちょ銀行の貯金を換金して、それを相続人Aに相続させるという内容なので、そのようにすることとなる。
被相続人のゆうちょ銀行の貯金を相続手続で払戻しを受ける場合は、払戻証書で現金で受領するか、ゆうちょ銀行の通常貯金口座へ振込むか、ということになるとのこと。
振込みの場合は、他の金融機関の口座ではできず、ゆうちょ銀行の口座でしかできないとのこと。
少額だったら現金で受領してもいいかもしれないが、基本は、現金受領は避け、口座振込を利用したほうがいい。
というわけで、ゆうちょ銀行で遺言執行者名義の通常貯金の口座を開設する。
キャッシュカードは作れないとのこと。

なお、遺言執行者が被相続人の財産を管理するために必要なら、遺言執行者名義の口座を開設することになるが、上記のとおり、ゆうちょ銀行の払戻金の振込みがゆうちょ銀行の通常貯金でしかできないため、遺言執行対象財産の中にゆうちょ銀行の貯金がある場合は、ゆうちょ銀行で遺言執行者名義の口座を開設しておく方がいいのかなと思う。

遺言執行者は、ゆうちょ銀行に相続確認表を記載して提出する。
これは、Webサイトからダウンロードできる。
被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本、遺言書等を持参する。

その後、相続手続に関する案内が、ゆうちょ銀行から遺言執行者宛てに届く。
遺言執行者は、書類に記載し、必要書類と合わせて、ゆうちょ銀行に持参する。
その書類の一つである、「貯金等相続手続請求書(名義書換請求書兼支払請求書)」は、Webサイトからダウンロードできる。
必要書類については、一覧表があるので、それに従う。

しばらくしたら、ゆうちょ銀行から、相続手続完了のお知らせが届く。
なので、ゆうちょ銀行に行って、遺言執行者名義のゆうちょ銀行の通帳を記帳し、入金を確認する。
確認後、それを相続人Aに引き渡す。
遺言書において、遺言執行者の報酬や遺言執行事務の諸費用について、相続財産から払ってもいいという内容であれば、遺言執行者は相続財産の中から報酬や諸費用を受領してから、その残額を相続人Aに引き渡す(こちらが一般的でしょう)。

法定相続情報制度の実務的運用

法定相続情報証明制度の勉強会があったので、参加した。
ちょっと疑問に思っていたことがあったので、いい機会だと思い、質問してみた。

それは何かというと、遺言執行者の場合。
遺言執行者は相続人の代理人とみなす(民法第1015条)ので、遺言執行者は相続人の法定代理人として、この制度(法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出)の代理人となれると、私は思った。
ただ、そうすると、申出人は誰になるのだろうという疑問が生じた。
遺言執行者は相続人全員の代理人とされることから、申出人は相続人全員になるのだろうか…と思っていた。
添付書類は、遺言書だろう。
そんなことを、聞いてみた。

すると、回答は、こんな感じだった。
本手続においては、遺言執行者(司法書士がなる)は法定代理人ではない。

通達の中に、法定代理人として、親権者または未成年後見人、成年後見人または代理権のある保佐人・補助人、不在者財産管理人・相続財産管理人と記載があり、遺言執行者の記載はない。
そういうことも理由の一つみたい。

というわけで、遺言執行者は法定代理人としてこの申出を代理できない、ということであった。

また、聞いていて、へぇ〜っていうことがあった。
それは、こういうことだった。
この手続においては、被相続人の戸籍謄本等は、出生からのものが必要である。
但し、相続登記の申請と同時に申出された場合に限り、登記官の判断による。

つまり、法定相続情報の場合、原則として、被相続人の出生からの戸籍謄本等が必要だが、相続登記と同時に申出された場合に限り、出生からの戸籍がなくてもいいが、その場合どうするかは、登記官が判断をする、とのこと。
なお、これは、現時点での扱い。

相続登記において、被相続人の戸籍謄本等は、必ずしも出生からのものが必要ではない。
生殖年齢くらいのものからでいいとされている。
私は、12歳くらいからと習ったので、そういう基準でしている。
とはいえ、出生から全て取るようにしている。
ただ、例えば、戸籍等を遡っていって、3歳くらいまで到達して、その前の戸籍を取るにはまた申請が必要だな〜とかなった場合は、「3歳まで遡ったし、これでいいよな」と思って、たぶん、ここで戸籍等を追いかけるのをやめる。

この前提となるのは、相続登記の申請と、法定相続情報の申出は、同時にしてもいいということ。
その場合、共通する書類(戸籍謄本等)は1通でかまわないが、そうでない書類は、それぞれに添付をする。
なお、相続登記の申請と法定相続情報の申出を同時に申請する場合は、両方あることを分かるようにしておいた方がいいようである。

法定相続情報一覧図の書き方

法定相続情報証明の申出をしてみた。
最初は、窓口で申出書等を提出するだけ。
そうしたら、完了予定日や注意事項等が書かれた「お知らせ」を交付された。
完了予定日は、約1週間後。
申出書は、法務局のWebサイトからダウンロード。
一覧図は、相続関係説明図を作って、記載例を参考にして調整。

一覧図だが、どうも相続関係説明図が頭にあるので、相関図な感じで作った。
しかし、そこまで細かくなくてもいいようである。

法務局から指摘されたのは、次の点だった。
被相続人(妻)が死亡したとき、既にその配偶者(夫)が死亡していた。
なので、一覧図には、その死亡した夫についても、名前、生年月日、死亡年月日も記載した。
そうしたら、その死亡した配偶者については、単に「配偶者(または夫)」とすればいい、とのことだった。

法定相続情報証明は、被相続人の相続人(つまり、生きている人)が誰か、ということ(だけ)を証明するものなので、被相続人が亡くなったときに既に亡くなっている人については、名前等の情報は不要、ということだろう。
それで、法務局の一覧図の記載例を見返したら、兄弟姉妹が相続人の場合の例だと、被相続人の父・母については、「父」・「母」としか記載されていない。
また、代襲相続の場合の例では、「被代襲者」と死亡年月日しか記載されていない。
父・母のときは死亡年月日が入っていないが、被代襲者の場合は死亡年月日が入っていて、なんだか変な感じがした。
上で書いた配偶者が既に死亡している場合もそうだが、生存していたら相続人であった者については、死んていることが分かるように、死亡年月日を書いた方がいいのかなとは思う。

相関図と一覧図を比較してみる。
父(既に死亡している)、母(被相続人)、長男A(相続人)、長女B(相続人)の場合。

相続関係説明図の場合、記載すること。
被相続人の本籍
被相続人の登記上の住所
被相続人の死亡時の住所(戸籍の附票等が取れない場合は記載できない)
被相続人であることの表示(私は「(被)」としている)、氏名、生年月日、死亡年月日
配偶者の続柄(夫)、氏名、生年月日、死亡年月日
Aについては、続柄(長男)、氏名、住所、生年月日
Bについては、続柄(長女)、住所、氏名、生年月日

それに、遺産分割協議で不動産をAが相続した場合であれば、Aのところに「(相続)とか(相)」と書き、Bのところに「(分割)」と書く。
Bが相続放棄をしていたら、Bのところに「(相続放棄)とか(放棄)」と書く。

一方、法定相続情報の一覧図の場合。
被相続人については、被相続人であることの表示、氏名、最後の住所、生年月日、死亡年月日を記載。
被相続人が亡くなったときに既に亡くなっている父については、「配偶者」とだけ表示すればいい。
相続人については、長男・長女とかではなく「子」とし、氏名・生年月日を記載すればよく、住所は任意である。
遺産分割、相続放棄があっても、それは記載しない。

法定相続情報証明

法定相続証明情報の制度が、本日から開始。

いつのまにか、法務省のサイトが更新されていた。
具体的な手続については、法務局のサイトにある。

これに関する通達が4月に出ていたことに、気付いていなかった。
見たと思っていたけど。

ようは、これまでいうところの相続関係説明図のようなものを作って、戸籍謄本等と一緒に提出して、証明書の交付を受ける、という感じ。

ただ、一点、気になることがある。
通達にもWebサイトにも書いておらず、たぶんこうなるんだろうな〜と自分では思っているが、どうかは不明。
今度、質問する機会があるようなので、そのときに聞いてみよう。

遺言検索システム

遺言検索システムというものがある。

これを使って、公正証書役場で、被相続人に公正証書遺言があるかどうか検索できる。
平成元年以降に作成されてた公正証書遺言であれば、調べられるとのことである。
公証役場はどこでもいいとのことなので、最寄りの公証役場に行けばできる。
但し、被相続人の死亡後にこれをできる者は、相続人や利害関係人に限られるとのこと。
この検索をするためには、被相続人の死亡記載のある戸籍謄本や利害関係を証する書面、申請者の本人確認書類等、必要な書類があるので、事前に公証役場に確認したほうがいい。
また、公証役場に行くときは、事前に連絡をしておいた方がいいようである。

自分のパソコン環境は、MacとWinの併用で、デュアルディスプレイ。
モニター2台は左右に並べ、普段はMac用として2台使っているが、Win使用時には、サブモニターを切換えてWin用として使う。
なので、サブモニターは、MacとWin両方に繋がっている。
一方、キーボード等はMacとWinでは別にしていて、共有にはしていない。
MacにはMac用のキーボードやトラックバッドが繋がっており、WinにはWin用のキーボードやマウスが繋がっていて、それぞれ使用時には、それぞれのものを使う。

オンライン申請をしようと、Win機を起動し、サブモニターを切換える。
で、ソフトを起動させようとマウスをいじるも動かない、文字などを入力しようとするも入力できない…。
は? 何で?
あ、Macのトラックパッドをいじっていた…。
キーボードを間違えていた…。

Winを使っているのに、ついついMac用のキーボードやトラックパッドを使ってしまうなんてことが、たまにある。
今日もそうだった。

キーボードやマウスを共有するソフトがあるとのことなので、こういうのを使うのも一手かなと。

法定相続情報証明制度

法定相続情報証明制度(法務省のサイト)

平成29年5月29日から、各法務局において、「法定相続情報証明制度」が始まる。

被相続人等の戸籍謄本等を取得し、法定相続情報一覧図(相続関係説明図のようなもの)を作成し、法定相続人または代理人が法務局に申出る。
すると、法務局から、認証文付きの法定相続情報が交付される(手数料はかからない、とのこと)。
この法定相続情報を、各相続手続において使う。

申出る法務局は、次のとおり。
被相続人の本籍地
被相続人の最後の住所地
申出人の住所地
被相続人名義の不動産の所在地

申出は郵送でも可能とのこと。
オンラインでできるかどうかは記載ないが、おそらくできないのであろう。

代理人となれる資格者は、司法書士の他、弁護士、土地家屋調査士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士とのこと。

というわけで、

当事務所において、この法定相続情報証明制度に関する業務を行います。

<内容>
○戸籍謄本等の収集
○申出書及び法定相続情報一覧図の作成、法務局への申出
○認証文付きの法定相続情報一覧図の申請、受領
○その他、これに関すること

相続放棄と代襲相続

登記済証や印鑑証明書の偽造があったとのこと。

相続放棄(家庭裁判所で手続を行う)をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす(民939)。
つまり、相続人ではなくなる、ということになる。

代襲相続(民887条2項)というものがある。
これは例えば、父親が死んで相続が発生したときに、その子供が既に死んでいた場合、その子供に子供(つまり孫)がいれば、その孫が相続人となる、というもの。

それでは、上の例で、子供が死んだのではなく相続放棄をした場合、孫は代襲相続をするのか、ということがあるが、これはしない。
相続放棄は、代襲相続の原因とならない。

また、代襲相続の規定(民887条2項但書き)で、「被相続人の直系卑属でない者はこの限りでない」とある。
つまり、被相続人の直系卑属でない者は代襲相続人になはらないということである。
この被相続人の直系卑属でない者というのは、縁組前の養子の子、である。
これはこの辺りを勉強すると習うことであり、試験にも出るところである。

で、私も、この場合の相続登記を経験したことがある。
戸籍を見て、相続関係説明図を作っていくと、被相続人に養子がいて、その養子は被相続人より先に死亡しており、そして、縁組前に結婚して(結婚相手は被相続人の実子ではない)いて、子供がいた。
思わず、試験勉強したことじゃん、実際にあるんだ…、と思った。

相続財産管理人

これから、台風10号がやってくるとのこと。

相続財産管理人といったら、相続人不存在のときと、すぐ思う。
実務でもある話であるし。

相続財産管理人は、相続人がいない、相続人がいるかいないか明らかではない、相続人はいたけど全員相続放棄をした、というような場合における家庭裁判所の手続き(民952)。
相続財産管理人は、相続人を探したり、債権者に弁済したり、特別縁故者に財産分与をしたり(特別縁故者からの申し立てがあった場合)して、相続財産を清算していく。
残った財産は、国庫に帰属される。
被相続人の相続財産は、法人となる(民951)。
具体的には、「亡○○相続財産」という法人になる(○○は被相続人の氏名)。

また、これは、不動産登記にも関係している。
民法952条により相続財産管理人が選任され、その被相続人が不動産を所有している場合は、相続財産管理人は、その不動産の登記名義を「亡○○相続財産」と変更する氏名変更登記を申請する。
なお、被相続人の相続財産管理人の選任審判書上の住所と登記上の住所が違っていれば、住所変更登記も必要となる。
不動産が特別縁故者に分与された場合は、所有権移転登記をする。
なお、以前、家庭裁判所の相続財産管理人の選任審判書は資格証明書も兼ねているのだから3ヶ月以内のものが必要、と某法務局から言われたことがあった。
しかし、確か、これについては期限はないと理解している。

一方、何年か前だかのある研修で、民918条2項の相続財産管理人というのを聞いた。
これは、簡単に言えば、相続人の熟慮期間中に、被相続人の財産を管理する者を選任する、というものである。
相続財産管理人=相続人不存在、という思い込みがあったので、相続人がいるのに相続財産管理人って何?と思ったが、そういう規定があったのであった。

そして、これと成年後見が絡む。
具体的には、被後見人等が死亡すると成年後見業務は終了し、成年後見人等は管理していた被後見人等の財産を相続人に引継がなければならないが、成年後見人等は被後見人等が死亡すると財産管理権限がなくなるので、相続人に引き継ぐまでの間に時間がかかりそうというような事情があれば、これを利用できるのではないか、ということだった。
ようは、相続人に引き継ぐまでの中継ぎとして、被後見人等の財産を権限をもって管理する者を選んでおく、といった感じである。


被後見人が死亡したときに、裁判所からきた連絡文書にも、「相続人不存在であることが判明した場合や相続人は存在するが同人から受領を拒絶されるなど引継に何らかの支障がある場合には、相続財産管理人の選任(民952、918条2項)の申立てをしてください」というようなことが記載されていた。

確かに、元後見人等が権限がないまま管理するよりも、権限を持つ相続財産管理人を選任してその者が財産を管理した方が安全ではある、と思う。

これって、実務上、どれくらい利用されているのでしょう。


家庭裁判所における成年後見・財産管理の実務(第2版)」という書籍では、この相続財産管理人について、相続の承認又は放棄前の相続財産の管理者として、255ページから259ページまでに記載があった。
約4ページの記載。

相続放棄の申述の有無の照会

人が死亡すると、相続が開始する(民法第882条)。
そうすると、相続人は、被相続人の権利義務を承継する。
相続人は、相続について、次の三つを選択できる。
(1)単純承認:相続人が被相続人の権利義務をすべて承継する(民920)
(2)限定承認:被相続人の債務が不明で、財産が残りそうなとき等に、相続人が相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務を承継する(民922)
(3)相続放棄:相続人は被相続人の一切の権利義務を承継しない。最初から相続人ではなかったものとみなす(民939)

相続財産は、プラス財産だけではなく、借金といったマイナス財産も含む。
なので、借金の方が多い場合は、相続したくないと思うだろう。
そういう場合に、相続放棄がある。

○相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三ヶ月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる(民915条1項)。
○相続人が第915条1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったときは、単純承認をしたものとみなす(民921条2号、920)。
○相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない(民938)。
○相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす(民939)。

というわけで、相続放棄をしようと思ったら、自分のために相続の開始があったことを知った時から原則三ヶ月以内(熟慮期間という)に、家庭裁判所(被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所)に申述をしなければならない。
また、被相続人の財産を処分(保存行為は除く)すると単純承認をしたとみなされることもあり(民921条1号)、そうすると相続放棄はできなくなるので、相続放棄をしようと思う相続人は、被相続人の財産には一切手をつけないほうがいい。

相続放棄をしたら、その者は相続人ではなくなるので、例えば、第一順位の相続人(被相続人の子供(代襲相続人も含む))が全員相続放棄したら、第二順位の相続人(被相続人の親、祖父母の直系尊属)が相続人となる。
なので、今度は、第二順位の相続人が、相続放棄をするかどうか決める。
第二順位の相続人が既に死亡していなかったり、あるいは、相続放棄をしたら、今度は、第三順位の相続人(被相続人の兄弟姉妹(代襲相続人も含む))がどうするかを決める。
ということになる。

このように、被相続人の相続人が相続放棄をしたかどうかは、他の相続人や、被相続人の債権者にとっては重要な問題となる。
相続人が、相続(単純承認のこと)したよ、とか、相続放棄をしたよ(申述受理証明書を送る)とか知らせてくれればいいが、そうじゃないと困る場合もあろう。

そういう場合に、被相続人の相続人や利害関係人は、家庭裁判所に対して、「相続放棄・限定承認の申述の有無の照会」ということができます。
これにより、相続放棄をした相続人がいるかどうかわかります。
具体的な方法については、例えば、東京家庭裁判所のサイトを参照してください。

相続の相談で、「相続の放棄をする」と聞く場合があります。
こちらからすると、相続の放棄とは上記のこと、つまり、家庭裁判所において申述することをいうので、「家庭裁判所で手続きされる(た)のですか?」と聞くと、「それはしない」、という。
では、どういうことかというと、要は、「自分は財産を相続しない、何もいらない」ということでした。もうちょっと言えば、「遺産分割協議をして、自分は何も相続しない」、ということです。
民法上の相続放棄とは意味合いが違っていますね。
同じ言葉でも、巷間言われる意味と法律上の意味が違う場合の一例といえるでしょうか。
同じように言葉に、「善意」もありますね。