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成年被後見人等の確定申告

立川法務局(東京法務局立川出張所)は、立川地方合同庁舎内にあるが、ここには、立川税務署もある。
確定申告の時期が近づいているので、申告書を取りに来ている人とか、申告用に不動産登記事項証明書を取りに来ている人もいる。

成年被後見人等で確定申告が必要な場合は、成年後見人等が申告をする。
保佐人・補助人がする場合は、税務申告に関する代理権が付与されている必要がある。

確定申告は、しなくてもいい場合があるので、その場合はしなくてもいい。
が、その場合でも、住民税申告が必要な場合があるようなので、その場合は、住民税申告をする。
住民税申告も不要な場合だと、結局、何もしなくていいことになる。
なのだが、何かの事情で、非課税証明書が必要になる場合があるかもしれないので、そういうときのために、確定申告か住民税申告はしておいた方がいいのかなと思う。
逆に言えば、非課税証明書が必要なことがないようなら、しなくてもいいか。

確定申告か住民税申告のどちらをすればいいか、ということになると、私は、確定申告をしておけばいいと思う。
両方やってみたが、確定申告の方がいいと思った。
その理由。

確定申告をしておけば、住民税申告はしなくてもいいので、確定申告をしておけばいい。

確定申告の申告書は、専用のWebサイト(確定申告書等作成コーナー)で、インターネットを利用して、作成できる。
しかも、データを保存しておけば、過去のものも使える。
これが結構重宝する。
住民税の申告書は、各自治体のWebサイトからダウンロードし、PDFに直接テキスト入力することになる。
また、確定申告書の様式は全国統一だが、住民税申告書の様式は各市町村ごと。
そういう点からすると、確定申告書の方が作りやすい。

提出先は、確定申告の場合は管轄税務署だが、住民税申告の場合は住まいの市区町村。
税務署の管轄は複数の市区町村を含むので、そうすると、提出先は、場所にもよるが、確定申告の方が少なくなる可能性がある。
ようは、送付先が減るのである。
例えば、立川市と東大和市に住所がある人の後見人をしている場合。
確定申告書の提出先は立川税務署だが、住民税申告書の提出先は立川市と東大和市なので、確定申告の場合は立川税務署にのみ提出すればいいが、住民税申告の場合は立川市役所と東大和市役所の2ヶ所に提出することとなる。

こういうことからすると、後見等の事務作業の点からすれば、確定申告の方がやりやすい。
効率良くできる。
特に、複数の成年後見人等になっている場合、確定申告の方がいい。

成年後見に関する登記事項証明書

以前、インターネットで取った不動産登記情報。
どういうわけか分からないが、そのフォルダ名が英数字記号等で長くなって、Win10でこのデータを削除しようとすると、ファイル名が長すぎて削除できない、というようになった。
ファイル名変更もできない。
なんで?とか思って、削除方法を調べて、それを参考にしてもできず。
他のパソコンからアクセスしたら削除できる、みたいなことも聞いたので、MacからWinにアクセスして、MacでそのWinのフォルダ削除したところ、あっさりできた。
なんだ、こんな簡単だったんだ。

成年後見に関する登記事項証明書

自分が本人の成年後見人・保佐人・補助人・任意後見人であることを証する書面。
家裁の審判書と確定証明書でもいいらしいが、普通は、後見等登記事項証明書を使う。
成年後見人等の業務を遂行する場合、必ず必要になるもの。

申請先は、窓口で取得するなら、東京法務局の後見登録課、各法務局・地方法務局の本局。
申請時、本人確認される。
郵送ならば、申請先は、東京法務局の後見登録課のみ。
本人確認書類の写しも送付。
インターネットでも申請できるが、電子署名が必要。
司法書士の電子署名は使えないので、個人番号カードか住基カードの電子署名が必要となる。
なので、後見人等の住所を事務所にしている場合、住所と事務所が違えば、オンラインではできないこととなる。
ただ、司法書士の電子署名でも申請はできてしまうのだが、このときは、法務局から、電子署名が違うよと、連絡がくる。
経験済…。
なお、オンライン申請後、手数料の電子納付前に、申請をミスったと気付いたときは、手数料を納付しなければ申請は却下になるとのことなので、放置しておいて、修正して再度申請してもいいと思う。

司法書士が成年後見人等から登記の依頼を受ける場合は、後見等の登記事項証明書が必要となる。
成年後見の場合ならいいが、保佐や補助の場合だと、代理行為目録の中に、登記申請についての代理権や登記識別情報に関する代理権が付与されているかも確認しなければならない。
また、登記申請するときは、この登記事項証明書も代理権限証明情報(代理権限証書)として、添付書類となる。
この場合、3ヶ月以内のものが必要。

確定申告の時期が近づいている。
成年後見人等も、本人の確定申告をする。
保佐・補助の場合、保佐人・補助人が代理して確定申告をする場合は、税金の申告に関する代理権が付与されている必要がある。

私も、後見人等として確定申告をする。
以前、確定申告のとき、税務署に、成年後見人等であることを証する登記事項証明書は必要なのか?と聞いた。
代理権限証書として必要になるのだろうと思っていたのだが、いらないと言われた。
え?
登記申請の場合は添付書類になることからすると、司法書士的には考えられない。
まあ、添付しなくていいなら、取り直さなくていいので助かるが。
知り合いの税理士さんに聞いてみたところ、何か問題があれば税務署は調査できるので、というようなことだったが、どうなのだろうか。

成年被後見人については、所得税法上、特別障害者に該当するとされている。
なので、成年被後見人の確定申告で、特別障害者の適用を受ける場合は、後見登記事項証明書が必要になるのだろう。

後見制度支援信託〜親族後見人への引継〜

業者の人が来て、私の使用パソコンであるiMacを見ると、自分もMacを使っていると言う人もたまにいる。
先日もそういうことがあった。
そういうときは、Macについて少々雑談をすることとなる。



デスクトップの壁紙を変えた。
Win機だと、どうでもいいやってことで、ほとんど気にしない壁紙だが、Macだとなぜか気になって、定期的に変えたくなってくる。
Win機だと、デスクトップにソフトのアイコン(ショートカット)をいろいろ配置しているが、Macでは、Dockに入れて、デスクトップにアイコンやエイリアスを極力配置しないようになった。

先日、後見制度支援信託の件で、親族後見人に、引継いだ。

信託の検討のために選ばれた後見人の場合、信託相当となったら、信託契約を締結したら任務終了となるので、後見人を辞任することとなる。
なので、家庭裁判所に対して、後見人辞任許可申立てと報酬付与申立てを行う。

申立て後、何日かしたら、家庭裁判所から辞任許可の審判書と報酬付与の審判書が届く。
辞任許可の審判書は特別送達なので、郵便配達の人から手渡しで受取る。
報酬付与の審判書は普通郵便で配達される。
ただ、届く日はたいてい同じ日。
後見人の辞任については、家庭裁判所の書記官から東京法務局に対して登記が嘱託される。

この2つの審判書が届いたら、親族後見人に連絡をする。
報酬が出た旨と、辞任の登記が終わった頃にまた連絡をすることを伝える。
この時点では、辞任許可申立てにかかった実費が確定していないし、後見信託を利用した金融機関における後見人変更の手続のために必要な私が辞任した旨の記載のある後見登記事項証明書は取れないので、実費が確定し、後見登記事項証明書が取れるようになったとき、つまり、辞任登記完了後に、再度親族後見人に連絡して引継ぐようにしている。

これから約2週間後、家庭裁判所から、辞任許可申立て時に納付した切手の余りが返還されてくる。
家庭裁判所から辞任登記が終わったという連絡があるわけではないが、これにより、辞任の登記が終わったのだなと分かる。
これで、辞任許可申立てにかかった実費も確定する。

そこで、親族後見人に対して、報酬と実費込みの費用と、辞任登記が終わったので最終報告と引継をする旨を連絡する。

その後、親族後見人とお会いして、親族後見人に、信託契約書や通帳等を引き渡し、後見制度支援信託を利用した金融機関において後見人の変更が必要なので後見登記事項証明書を取得して手続をしなければならないことや今後のことを説明する。
そして、家庭裁判所に提出する用の引継書に署名押印をもらう。
これは、こちらで家庭裁判所に提出しておく。
以前は、家庭裁判所提出用の引継書は、親族後見人から家庭裁判所に提出する扱いだったが(東京家庭裁判所立川支部において)、今は、後見人であった専門職が、10日以内にこれを家庭裁判所に提出しなければならなくなった。
なお、家庭裁判所提出用の引継書とは別に、自分用の引継書・受領書にも署名押印をもらっている。

後見事務(現金出納帳と預貯金出納帳)

後見関係で預貯金を管理しているものは、定期的に記帳している。
そして、エクセルで、現金出納帳と預貯金出納帳を合体させたものを作って、入力している。
1シート1ヶ月分にして、12シートで1年分を1ブックとしている。


専用ソフト、会計ソフト、出納帳ソフトを利用した方が、管理人数が多い場合だといいだろうし、簡単に総勘定元帳ができるし集計ができるしで楽だろうが、私は、エクセルで十分だと思うため、ソフトは使っていない。
エクセルを利用したいという気持ちもあるし。

出納帳の項目としては、日付、科目、摘要、収入、支出、残高。

科目と摘要は(特に科目は)、全て統一させておく。

家庭裁判所に提出するのに、収支状況報告書は不要となった。
しかし、提出は不要となっても、私は作成をしている。
これがないと、具体的な収支が分からないし、また、財産目録の預貯金・現金の前回との差額と収支の差額が一致するかどうかも確認したいので。



収支状況報告書は、出納帳を基にして作成する。
このとき、エクセルのフィルター機能を利用する。
フィルターとは、データを抽出する機能。

例えば、平成27年の1年間の年金収入を知りたい場合。
まず、各シート(毎月の出納)を合体させて1年間分の出納を作る。
そして、このフィルターで年金を選択すると、年金のデータが抽出される。
なので、その額の合計を出せば、1年間の年金収入の額が出る。

上で、科目を統一させておくと書いたのは、このフィルターのため。
各科目ごとに
これをしていけば、各科目ごとの収入や支出の額が出てくる。
これを全てまとめれば、収支状況報告書となる。




出納帳は、こんな感じで作っている(下のエクセル)。
施設で現金管理していたり、通帳を預けていたり、口座が複数ある場合は、横にどんどん加えていく。
タイトルが現金出納帳となっているのは、現金出納帳のみ印刷する場合があるため。
現金以外の箇所は、印刷することはないため、レイアウトは適当。
日付順に打ち込んでいるが、日付はバラバラでも、エクセルのフィルターの並べ替え(昇順・降順)を使えば、日付順にできるので、そうしてみてもいいかもしれない。

Mac版のエクセル
Excel for mac 2011

001_20161102

Windows版のエクセル
Excel2013

002_20161102

見た目、ちょっと違うでしょ。

後見制度支援信託〜三菱UFJ信託銀行の場合〜

後見制度支援信託を提供している金融機関は、いまのところ、三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、みずほ信託銀行、りそな銀行、千葉銀行。
どこの金融機関を利用するかは、親族後見人と相談して決めることとなるが、当方にて関与した限りだと、利用しているのは、三菱UFJ信託銀行三井住友信託銀行みずほ信託銀行
そのうち、三菱東京UFJ銀行と三井住友信託銀行の利用がほとんどで、数えたところ、両者の利用はほぼ同数だった。

三菱UFJ信託銀行を選ぶ理由は、信託契約時の報酬がゼロ(但し、最低信託額は1000万円)ということと、手続きが全て郵送だからということ。

親族後見人が、三井住友信託銀行やみずほ信託銀行の窓口に行けるような場合ならいいが、これらの信託銀行の支店は、都市銀行やゆうちょ銀行等に比べると数が少ないので、親族後見人にとって行きづらい場合がある。
また、銀行の窓口に行く時間がなかなかとれない人もいる。
そういう人にとっては、手続きが全て郵送とういうのは、助かる。

三菱UFJ信託銀行の後見制度支援信託を利用する場合の流れは、今のところ、こんな感じ。

(1)信託のために選任された専門職後見人が家庭裁判所に信託に関する報告書を提出。

(2)家庭裁判所は、専門職後見人に指示書を出す。

(3)指示書を受領した専門職後見人は、三菱UFJ信託銀行に電話をする。


(4)三菱UFJ信託銀行から専門職後見人宛てに、信託の申込書類一式が送付されてくる。

(5)専門職後見人は、送られてきた申込書等に必要事項を記載して、必要書類と一緒に、三菱UFJ信託銀行に送付する。
必要な書類は、家裁の指示書謄本(原本)、後見登記事項証明書(原本)と専門職後見人の本人確認書類。
指示書謄本は原本提出で返ってこない。

(6)
三菱UFJ信託銀行から専門職後見人宛てに、契約書(2通)と後見登記事項証明書の原本と振込口座の案内が送付されてくる。

(7)専門職後見人は、契約書に署名押印し、三菱UFJ信託銀行に2通とも返送する。


(8)三菱UFJ信託銀行の指定口座に、信託額を振込む。
信託の場合、通常、親族後見人が本人の財産を管理しているので、親族後見人から三菱UFJ信託銀行に振込んでもらうこととなる。
その場合、専門職後見人は、親族後見人に連絡して、三菱UFJ信託銀行に振込んでもらうように伝える。
あるいは、親族後見人が振込みに行くのに専門職後見人が同行する。
もし、専門職後見人が本人の口座を管理しているときは、専門職後見人が振込むことになる。
私の場合は、親族後見人と同行して振込みに行くことが多い。
振り込みが終わったら、三菱UFJ信託銀行に、振込み完了の連絡をする。

別にしなくてもいいが、私は、している。

(9)三菱UFJ信託銀行から専門職後見人宛てに、後見制度支援信託契約書、信託の通帳、後見人変更の書類等が送付される。

(10)専門職後見人は、家庭裁判所に対して、信託契約締結の報告(契約書や通帳の写しを提出)する。

(11)専門職後見人は、家庭裁判所に対して、後見人の辞任許可の申立て、報酬付与の申立てをする。
信託契約の報告と辞任許可と報酬付与は、たいてい、同時にする。

(12)家庭裁判所から、辞任許可の審判書と報酬付与の審判書が届く。
家庭裁判所の書記官は、東京法務局に、後見人辞任の登記の嘱託をする。

(13)辞任登記完了後、家庭裁判所から、余った切手が戻ってくる。
これにより、辞任の登記が終わったことが分かる。

(14)専門職後見人は、親族後見人に連絡し、親族後見人から報酬を受領し、親族後見人に対して信託契約書等を引継ぐ。
このとき、親族後見人に、三菱UFJ信託銀行に対して、後見人変更の手続きをするようにも伝えておく。
後見人変更の書類は三菱UFJ信託銀行から既にもらっているので、渡す。
後見人変更には、私が辞任した旨の記載のある登記事項証明書が必要なので、これも取るよう伝える。
また、今後も家庭裁判所の監督は続くこと等も伝える。

(15)専門職後見人は、家庭裁判所に対して、引継の報告書を提出する。

これで終了

親族後見人は、管理している本人の口座のある金融機関に対して、後見届けをしていない場合がある。
そういうときは、振込みや解約をする前に、後見届けをする必要がでてくる(通常はこれらの手続きは同時にする)。
なので、こういう場合は、親族後見人に、実印や印鑑証明書等、後見届けに必要と思われるものも準備しておいてもらうよう伝える。
なお、以前、口座を解約する場合、後見届けは不要という金融機関と、必要という金融機関があった。

信託のための後見人は、信託が終われば、後見人を辞任することとなる。
それなのに、本人の口座のある金融機関に対して私を後見人として届出てしまうと、私が辞任後に、親族後見人は、後見人の変更の手続きをしないといけなくなる。
なので、私は、本人の口座のある金融機関に対して、私を後見人とする届出、または、親族後見人から私へ後見人を変更する届出はしていない。
親族後見人が金融機関に対して後見届出をしていなければ、これを機に後見届出をしてもらい、既にしていれば何もしない。

過去に一度だけ、東京ではない家庭裁判所において、私に財産管理権の権限が分掌されたことがあった。
なので、このときは、いったん親族後見人から本人の通帳を預かって、金融機関に対しても後見人の変更をした。
信託銀行への振込みも、私が単独で行った。
個人的には、権限分掌してなんの意味があるんだろうと思った。
私が辞めた後、また親族後見人に変更しないといけなくなるのに。

成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部 を改正する法律

成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部 を改正する法律
衆議院のサイト(案になっているが)

今年の10月13日から施行される。
あと約1ヶ月後。
民法改正点。

これについて、前に話を聴いたことがあったので、その内容や私見を簡単にまとめてみました。
違うところもあるかもしれませんが、あくまでも施行前の現段階での私見です。

1 郵便物等について(民860条の2、860条の3)
家庭裁判所は、成年後見人がその事務を行うに当たって必要があると認めるときは、成年後見人の請求により、信書の送達の事業を行う者に対し、期間を定めて、成年被後見人に宛てた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律第2条第3項に規定する信書便物を成年後見人に配達すべき旨を嘱託することができるものとする。
その期間は、6ヶ月を超えることができない。

2 成年被後見人死亡後の成年後見人の権限(民873条の2)
成年後見人は、成年被後見人が死亡した場合において、必要があるときは、成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き、相続人が相続財産を管理することができるに至るまで、次に掲げる行為をすることができるものとする。ただし、第3号に掲げる行為をするには、家庭裁判所野許可を得なければならない。
一 相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為
二 相続財産に属する債務(弁済期が到来しているものに限る)の弁済
三 その死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為(前二号に掲げる行為を除く)

(1) 郵便物等について
成年後見のみ。
保佐、補助の場合は認められない。
成年後見人は、郵便物等の配達を受ける必要がある場合、家庭裁判所に対して、この申立てをすることになる。
配達の期間は6ヶ月のみ。
更新規定はないので、これを継続したい場合は、再申立てをすることになろうが、この場合の必要性の要件は厳格になると思われる。

今は、成年後見人宛てに郵便物の転送をすることは認められていない。
成年後見人が把握した関係者に対して、成年後見人宛てに郵便物等を送付してもらうよう依頼しているだけである。
それが、半年ではあるが、成年後見人宛てに郵便物等が配達され、それを開いて見ることができるようになった。

成年後見人は、就任した後に成年被後見人の財産を調査して管理すべき財産を把握して、財産目録を提出しなければならない。
郵便物等の中には、財産に関するものもあるだろうから、成年後見人宛てに郵便物等が配達されるようにされれば、成年後見人は、管理すべき成年被後見人の財産をきちんと把握できることになる。
このことは、要件にいう必要性に該当すると思う。

なので、もしこれを利用するとしたら、成年後見人に就任して初回の財産目録を提出するための財産調査のときだろうか。

そうして把握した関係者に対しては、書類は成年後見人宛てに送ってもらうよう依頼することになろう。

(2) 成年被後見人死亡後の成年後見人の権限
これも成年後見のみ。
必要なとき、相続人の意思に反することが明らかでない、という場合に、相続財産を相続人に引き渡すまでの期間のみの権限。

相続財産の保存に必要な行為(保存行為)とは、財産の現状を維持する行為で、他の共有者に不利益にならない行為とされている。
具体的には、家屋の修繕、消滅時効の援用、期限の到来した債務の弁済等。

不在者財産管理人の権限は、保存行為(民28条、103条)となっていて、今回の改正条文のように、特定財産、その他財産というように分かれてはいない。

一方、成年後見人の権限においては、特定の財産の保存行為とその他相続財産の保存行為と分けらた(その他とは、特定財産以外の全体という意味だろうか)。
そして、後者について家庭裁判所の許可が必要となったが、弁済期の到来した債務の弁済については、家庭裁判所の許可は不要となった。
弁済期の到来した債務の弁済は、本来相続債務として相続人がすべきものであるが、これを成年後見人が弁済しても、これによって相続人に不利益になる可能性は少ないので、家庭裁判所の許可は不要となったのだろうか。
弁済期の到来した債務とは、成年被後見人の生前に発生した債務で支払い時期が到来したもののことで、例えば、水道光熱費、入院費、公共料金、施設利用料等のこと。

成年後見人が成年被後見人の火葬・埋葬するときには、家庭裁判所の許可が必要になった。
なので、成年後見人が成年被後見人の火葬・埋葬をするときは、家庭裁判所に許可申立てを行う必要がある。
従って、成年後見人が成年被後見人の火葬をしなければならない場合は、家庭裁判所の許可を得てから、葬儀社に依頼をすることになる。

しかし、実際は、遺体の引取りの関係上、亡くなったらすぐに葬儀社に依頼をするので、家庭裁判所の許可を条件に葬儀社に火葬の依頼をすることになろう。
なので、家庭裁判所への成年被後見人の火葬許可の申立ては、どうしても、葬儀社への依頼後になってしまうと思われる。

この申立てをする場合、死亡診断書と葬儀の見積書等を添付してすることになるのだろう。
申立費用は、申立人負担という決定になるようである。



成年後見は、成年被後見人の死亡によって終了するが、財産を相続するまで事実上管理をしている。
なので、その間に、病院の費用といった生前にかかった諸費用を払ったりしている。
また、成年被後見人に身寄りがない等という場合は、成年後見人が火葬をせざるをえない。
私も、成年後見人の火葬をしたことがある。

しかし、こういった成年後見人の死後事務についての規定はなかったので、緊急処分義務(委任の終了後の処分の規定を後見で準用、民874、654)や事務管理を根拠としていた。
ある意味、あいまいなまま、成年後見人は、成年被後見人に関する死後事務を行っていた。

それが、この改正により、規定ができ、一定の権限が与えられた。
そういう意味では安心だが、これまであいまいだった点が条文化されたので、今後は、本規定に基づくことなる。

また、この権限は、必要なとき、相続人の意思に反することが明らかでない、という場合に、相続財産を相続人に引き渡すまでの期間のみのもので、つまり、超限定的な権限。
なので、基本的に、この規定の利用は慎重にして、どうしてもというとき以外は利用しない方がいいと思う。

相続人がいる場合は、基本は、相続人に全てお任せ。
遺言書があって遺言執行者がいれば、遺言執行者と相談。

相続人が不存在、あるいは、相続人はいるが非協力的な場合、この規定を使うことを検討することになろう。
この場合、火葬を成年後見人がやらざるを得ないので、家裁の許可を得て火葬をすることとなるが、相続人がいても非協力的な場合は、相続人の意思を確認しながらすることになる。
相続人不存在の場合は、弁済期の到来した債務の弁済もしてもいいかもしれないが、相続財産管理人の選任の申立てをして、相続財産管理人に任せた方がいいかもしれない。
相続人非協力の場合に弁済の到来した債務の弁済をしようとするときは、相続人の意思に反するときはできないので、相続人に意思を確認してすることになろう。
相続放棄の意向もあるかもしれないので、慎重にした方がいいだろ。
また、この場合、民918条2項の相続財産管理人選任申立てをしてもいいかもしれない。
成年後見人が利害関係人として相続財産管理人選任申立てをするときは(民918条2項、民952条1項)、上記3号の「その他相続財産の保存に必要な行為」に該当することになるので、家庭裁判所の許可が必要になる。

後見制度支援信託

台風7号が関東に接近していて、今夜から大雨になるとのこと。

後見制度支援信託について

後見制度による支援を受ける方(本人)の財産のうち、日常的な支払いをするのに必要十分な金銭を預貯金等として親族の後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みのこと。(東京家裁Q&Aより)

これは、裁判所の運用により、平成24年2月から始まった。
信託すると、信託財産を払い戻したり解約したりする場合は、裁判所の指示が必要になる。
ようは、裁判所の関与がないと下ろせない預金みたいな感じ。

後見制度支援信託は、成年後見と未成年後見において利用可能。
以下、成年後見についてのみのことを述べる(未成年後見の信託は経験ないので分からない)。

後見人は、定期的に裁判所に報告をするが、その報告を受けたときに、裁判所は後見制度支援信託を利用するかを検討し、親族後見人に照会をしている。(これを継続という)
また、後見制度支援信託運用開始後に、後見開始の申立てをした場合は、裁判所は、申立時に、後見制度支援信託を利用するかを検討している。(これを新規という)

当初は、裁判所は、1000万円を超える資産(ほぼ預貯金)がある場合に後見制度支援信託を利用を検討していたが、今は500万円を超える場合となっている、とのこと(Q&Aに記載されている)。

後見制度支援信託を利用する場合は、司法書士や弁護士の専門職後見人が選任される。
そして、信託契約を締結した後は、後見人を辞任をすることとなる。
なお、私が後見制度支援信託のための成年後見人になったのは、平成26年以降のこと。

後見業務としては、新規の場合は初回の裁判所への報告があるが、継続の場合はこれはない(既ににされているので)。
そういった違いはあるが、信託については同じである。

信託については、以下のようにしていく。


(1)信託の適否の検討→信託に適さない事情があれば不適当、なければ適当
(2)信託の利用が適当な場合、次のことを決めていく
 ○利用する金融機関(三井住友信託銀行、みずほ信託銀行、三菱UFJ信託銀行、りそな銀行、千葉銀行)
 ○手元に置く額・信託する額
  ○定期交付金の額、期間、時期
  ○追加信託
(3)後見人は裁判所に、信託契約が相当である旨(上記(2)の内容)の報告書を提出
(4)その報告につき、裁判所が相当と認めれば、裁判所から指示書が出る
(5)後見人は、指示の日から3週間以内に、金融機関に信託の申込みをする
(6)後見人は、信託の金融機関に、信託する額を振り込む→信託成立
(7)後見人は、裁判所に、信託契約を締結した旨を報告
(8)後見人は、裁判所に、後見人辞任許可申立てと報酬付与申し立てをする
(9)辞任許可と報酬付与の審判がでる(裁判所から法務局に、辞任の嘱託登記がされる)
(10)報酬を受領し、親族後見人に引継ぐ(引継の報告書を裁判所に提出)
終了

信託の適否は個別事情によるが、例えば、本人に遺言があって、その内容が特定の預貯金を特定者に相続させるようなものの場合は、適さないだろう。

信託を利用する場合の金融機関については、親族後見人が後見業務をやりやすいところを選ぶようにしている。
なお、千葉銀行も始めたようだが(今日知った)、こちらは多摩地区なため、除く。

信託契約時の報酬は、三井住友信託銀行と三菱UFJ信託銀行は無料、みずほ信託銀行は無料だが信託額が1000万円未満のときは32,400円(税込)、りそな銀行は162,000円(税込)となっているため、どうしても最初からりそな銀行は候補からはずれてしまう。
実質、三択。
最低信託額は、三井住友信託銀行と三菱UFJ信託銀行は1000万円となっているので、これ未満の信託の場合は、実質、みずほ信託銀行1つとなる。


三菱UFJ信託銀行は、すべて郵送扱いなので、近隣に他の金融機関の支店がないとか、あっても窓口に行く時間がないような場合は、いい。
三井住友信託銀行は立川や吉祥寺に支店があるし、みずほ信託銀行は府中や八王子に支店があるので、そういった窓口に行けるのであれば、こちらでもいい。

三井住友信託銀行と三菱UFJ信託銀行は信託専用の通帳ができるが、みずほ信託銀行は、通帳はなく、証書。

信託申込時にあたって、本人(被後見人)の本人確認書類が要求されるところがあるが、三菱UFJ信託銀行は登記事項証明書で可、三井住友信託銀行は原則必要だが登記事項証明書だけの場合は登記上の住所に確認書類を送る、みずほ信託銀行は必要となっている。
ただし、みずほ信託銀行については、私が関与したときは本人確認書類が必要だったが、今はどうかは確認しないと分からない。

私が関与した場合だと、三井住友信託銀行と三菱UFJ信託銀行がほとんど。



手元に置く額は、本人の生活状況・収支状況を基に決める。
個人的な印象としては、200〜300万円はあった方がいいなと思う。
預貯金が2000万円あり、手元に300万円置くとなった場合、その差額の1700万円を信託する、ということになる。


定期交付金とは、定期的に、信託した財産から交付を受ける金員のこと。
毎月の収支が赤字の場合は、この検討を要する。つまり、収支が黒字なら、これはしない。
収支が赤字の場合に、その補填をするため、1か月または2か月または3か月または6か月ごとに、信託財産からいくら交付を受けるかを決める。
例えば、毎月の収支が5万円の赤字だったら、毎月5万円とか、2か月ごと10万円とか決めていく。
また、その交付金の振込日と、その振込先はどこにするかも決める。

三井住友信託銀行の場合、振込日は15日か25日のどちらか、とのこと。

追加信託は、本人の財産が増えた場合に、金銭を追加して信託をすること。
例えば、保険金を受領したとか、不動産を売却してその代金を得たとかいうような場合に、信託をすることとなる。
財産が増えるような事情があらかじめ分かっているような場合、追加信託についても検討し、報告をする。

成年被後見人が死亡したときに成年後見監督人がすること

暑い。

MacOSでオンライン申請はできるかどうか試そうと思い、申請用総合ソフトをインストールしようとしたら、できなかった。

成年後見監督人(以下、監督人、とする)がいる場合に、成年被後見人(以下、被後見人、とする)が亡くなったとき、監督人は何をするか。
その前にまず、成年後見人(以下、後見人、とする)がすることをあげてみる(細かいところは省略)。
成年後見人としているが、保佐人・補助人の場合も同様である。
但し、保佐人・補助人の場合、財産に関する権限がある場合とない場合があるので、そこに違いはある。

(1)家庭裁判所に、被後見人が亡くなったことを伝える(電話する)
その後、死亡診断書や死亡記載のある戸籍謄本等を提出する。
死亡記載のある戸籍謄本等は、死亡届を出してからある程度の日数が経過しないと取得できない。

(2)後見終了の登記を申請する
被後見人が死亡したら、後見は終了するので、東京法務局終了の登記を申請する。死亡したことを証するため、申請書に死亡診断書か被後見人の死亡記載のある戸籍謄本等を添付する。
但し、法務局が住基ネットで死亡を確認できるときは、死亡記載のある戸籍謄抄本等の添付を省略できる。現在、全国の自治体と住基ネットでつながっているので、被後見人の死亡記載のある戸籍謄抄本等は不要とのこと。
なので、終了の登記申請は、被後見人の死亡記載のある戸籍謄抄本等を取得できる頃に申請するのがいいと思う。
書面で郵送申請も可。オンライン申請も可。

(3)被後見人の相続人の調査

(4)後見の計算
後見人の任務が終了したときは、後見人又はその相続人は、2箇月以内にその管理の計算(後見の計算)をしなければならない。但し、この期間は、家庭裁判所において伸長することができる(民870)。
後見の計算とは、後見開始時から任務終了までの間のすべての財産の収入と支出の計算のことをいう。そして、後見人はその計算結果を相続人に報告することとされている。
後見人は、就任以降、定期的に家庭裁判所に後見事務報告をしているので、その分に、直近に家庭裁判所に報告した期間の最後の月の翌月から死亡日までの分を加えたら、開始から終了までの間の収支の計算となる。
なので、これまで定期的にしてきたと同様に、直近に家庭裁判所に報告した期間の最後の月の翌月から死亡日までの後見事務報告の準備をする。そして、それにこれまでの分を合わせて、相続人に後見の計算の報告をする。

(5)家庭裁判所への報告
直近に家庭裁判所に報告した期間の最後の月の翌月から死亡日までの後見事務について、家庭裁判所に報告をする。報酬付与申立てをする場合は、同時に報酬付与申立書等も提出する。

(6)報酬の受領(報酬付与申立てをしなければ、これはない)
家庭裁判所から報酬付与の審判書が届いたら、後見人として管理していた被後見人の財産から報酬を受領する。

(7)相続人へ管理財産の引き継ぎ
報酬受領後の被後見人の財産を、被後見人の相続人に引継ぐ。引継いだ相続人から引継書等の書面をもらい、それを家庭裁判所に提出する。

 

監督人は、後見人の事務を監督すること等が職務なので(民851)、上記の後見人の事務を監督することとなる。必要に応じて、後見人に指示したり、問合せに応じたり、アドバイスをしたりする。
具体的には、以下のようなことをすることになる。

被後見人が死亡した後に後見人がなすべきことを分かっていればいいが、そうでなければ、監督人が説明してあげるのがいいと思う。

上記(2)の終了登記申請は、監督人からも申請できるので、してもいい。

上記(4)の後見の計算については、後見監督人があるときは、その立会いをもってしなければならない(民871)とある。なので、監督人は、後見の計算に立会わなければならない。
とはいえ、後見人が後見の計算をしているその場に監督人が立会うことは現実的ではないだろう。
監督人は、これまで後見人から定期的に事務報告を受けて確認しているし、最後の期間の報告も受けて確認をする。なので、監督人としては、最後の期間の報告を受けて、これを後見人に確認することで立会いとする、ということでもいいと思われる。
また、相続人へ報告するときは、後見人と監督人の連名とすることになろう。
(このあたりのことは、こういうふうにしなければならない、というものはない)

上記(5)については、後見人は監督人に報告をし、監督人が家庭裁判所に報告をする。監督人が報酬付与申立てをする場合は、報酬付与申立書も提出。
後見人が報酬付与申立てをするときは、監督人がこれを預かって、監督事務報告書等と一緒に提出するのがいいようである。
家庭裁判所としては、その方が監督人が後見事務を確認したかどうかがわかるし、後見人が先に報酬付与申立てをしても、監督人からの報告がないと報酬の審判は出せないとのことなので。

上記(7)については、後見人が相続人に財産を引継ぐ場に立ち会うことになろう。

 

監督人の業務については、この書籍を参考にしている。
成年後見監督人の手引き(日本加除出版株式会社)

成年後見監督人の手引き

成年後見人等の印鑑証明書

専門職が成年後見人等になっている場合、後見等登記上、住所が事務所になっている場合がある。

成年後見業務において、成年後見人等の印鑑証明書が必要なときがある。
印鑑証明書とは、住所地の市区町村長が作成するものである。
一方、司法書士になると職印を各司法書士会に登録する。また、それについては、職印証明書が発行される。
そうすると、成年後見業務において印鑑証明書が要求される場合、それは市区町村長作成の印鑑証明書なのか、あるいは、職印証明書なのか、ということになる。

というのも、住所と事務所が違っていれば、後見等登記上の住所と市区町村長作成の印鑑証明書上の住所が違うことになるからである。この場合、印鑑証明書を提出したら、住所が違うので、本当に同じ人物?となってしまう。一方、職印証明書ならこれは一致するが、職印証明書を印鑑証明書と同じように扱っていいのか、ということになるからである。
なお、成年後見人等の登記が個人の住所でされていたり、事務所と自宅が同じであれば、特に問題はない。その住所地の市区町村長作成の印鑑証明書でいいのだから。

では、印鑑証明書と職印証明書のどちらになるのだろうか。
成年後見人等として登記されているのが事務所なら職印証明書になる、と考えるのが一般的だと思うが、そうもいかない場合もある。

売買による所有権移転登記において必要な登記義務者(個人)の印鑑証明書は、市区町村長が作成するものに限るとされ(不動産登記令16条1項)、作成後3ヶ月以内のものでなければならないとされている(同2項)。
つまり、この場合は、成年後見人等の事務所が登記されていても、必要なのは、成年後見人等の住所地の市区町村長作成の印鑑証明書である。
となると、住所と事務所が違えば、後見登記上の住所と印鑑証明書上の住所が違うので、事務所と住所は違うけど同一人物だということを証明する必要が生じる。
司法書士会では、登録事項証明書というものを発行している。これには、氏名、職名、登録番号、所属司法書士会等が記載されているが、希望すれば、事務所や住所の記載も可能である。
というわけで、こういう場合は、司法書士会に、事務所と住所の記載された登録事項証明書を請求し、その交付を受けるておく必要がある。
(登録事項証明書は、所属司法書士会経由で日司連に請求。1通2,000円する、結構高い。)

また、相続登記において、遺産分割協議を行い遺産分割協議書に印鑑証明書を添付する場合もある。この場合も、成年被後見人等が不動産を相続するかしないかによって分けてみる。
登記実務上、不動産を取得して申請人となる者以外の印鑑証明書が必要となっている(先例)ので、遺産分割協議で成年被後見人等が不動産を相続することになった場合、成年後見人の印鑑証明書は必要ではないことになる(印鑑証明書が不要ならば、押印も実印でなくていい)。
なので、印鑑証明書でも職印証明書でもどちらでもいいといえる(これは不動産登記に限ってのこと)。

一方、成年被後見人が不動産を相続しない遺産分割協議の場合は、成年後見人の印鑑証明書が必要になってくる。
この場合の印鑑証明書については、上記の不動産登記令16条のような市区町村長作成の印鑑証明書に限る、という規定がないので、職印証明書で足りる、と個人的には考えている。
この点については未経験なので、実際のところはどうなのか不明である。
但し、遺産分割協議の真正を担保するという意味からすれば、全員の実印押印・印鑑証明書が望ましいとも思える。

金融機関に成年後見届をする場合にも、成年後見人の印鑑証明書が必要となってくるが、この場合、印鑑証明書が必要か、職印証明書でいいかは、各金融機関によって取扱いに違いがあるようである。

結局のところ、職印証明書でいいのか、印鑑証明書が必要なのかは、提出先に確認するしかないのかなと思う。

専門職が成年後見監督人等の監督人に選任されている場合に印鑑証明書が必要なときもあるが、この場合も、同様である。
また、この記事は、司法書士を前提に書いたが、弁護士が成年後見人等になって事務所で登記されている場合も同様である。

成年後見人等用の印鑑証明書、という制度ができればいいのにと思ふ。