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「成年後見」カテゴリーアーカイブ
特別定額給付金(その1)
岡江久美子さんが亡くなられたとのこと。
ドラマ「天までとどけ」は見ていた記憶がある。
主題歌の「涙くんさよなら」も良かった。
コロナウイルスの件で、特別定額給付金が支給されることとなった。
基準日(令和2年4月27日)において住民基本台帳に記載されている者が給付対象者で、受給権者はその者の属する世帯の世帯主、とのこと。
申請書等の書類が、市区町村から受給権者宛てに送られるようだ。
この書類だが、世帯主が成年被後見人等の場合、成年後見人等宛てに送ってもらうことは可能なのだろうか。
と思ったので、某自治体に聞いてみたところ、まだ詳細は分からないとのことだった。
総務省のコールセンターは、電話がつながらない…。
世帯主の世帯に他に家族がいる場合、給付金の振込みは、個別にできないのだろうか、ということも思った。
世帯全員の給付金が、世帯主である成年被後見人等の口座に振込まれたら、成年後見人等が家族の人に給付金を渡す必要が出てくる。
また、成年被後見人等が世帯主ではなかった場合、その成年後見人等が、世帯主とは別に手続きができるのだろうか、ということも思った。
この場合、世帯主ではない被後見人等の成年後見人等宛てに、申請書等を送ってもらう必要も出てくるだろう。
後見制度支援預金(その4)
e-Tax からメールがきた。
利用環境は、Macの場合、macOS10.12~10.14となっていた。
自分の場合、OSのバージョンアップをして10.15を使っているので、やっぱり、対象外だった。
後見制度支援預金について、いくつかの金融機関のサイトをネットで見ていた。
支援預金は普通預金で、預金保険の対象となり、元本1,000万円までとその利息がその対象となるが、無利息の決済用普通預金にすれば全額保護される、ということのようだ。
一つの金融機関に複数の預金口座を持っている場合、決済用預金を除き、全ての口座を合計したうえで、元本1,000万円までとその利息等が保護される、とのこと。
いくつかの金融機関のサイトをみたが、支援預金において「普通預金または決済用普通預金」を利用できるかどうかについては、書かれていたり、いなかったりしていた。
例えば、東京スター銀行の支援預金のサイトを見たら、普通預金または決済用の普通預金と、書かれてあった。
一方、こちらに多い多摩信用金庫の支援預金のサイトでは、決済用口座のことは書かれていなかった。
というわけなので、支援預金をする場合で、預金額が1,000万円を超える場合、あるいは支援預金をしようとする金融機関に既に決済性預金を除く預金があって支援預金との合計が1,000万円を超える場合、
(1)元金保護のことは分かるがそれはいいとして全額支援預金にするか
(2)元金保護のことを考えて、無利息の決済用預金にするか、複数の支援預金を使うか、支援信託と併用するか
等も検討する必要があるのだろう。
後見制度支援預金(その3)
今年も残すところ、あと1週間。
業務的には、今週で終わり。
後見制度支援預金について(東京家庭裁判所のサイト)
支援信託と支援預金のどちらかを選ぶとなると、制度的にはそうは変わらないので、本人の状況や所持する口座、預入れる額、後見人等の事情によることになるだろう。
なので、どちらかとは言いにくいが、どちらかと言われたら、支援預金の方かなと思う。
というのも、信託契約と口座開設なら口座開設の方がいいし、取扱金融機関の数は支援預金の方が多いし、支援預金の方が最低預入額や手数料といった要件が緩やかなので。
支援預金を取扱っている金融機関は、信用金庫、信用組合、農協、銀行の一部とのこと。
立川市には、多摩信用金庫の本店及びいくつかの支店があり、ここは、支援預金を取扱っている。
また、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行が、支援預金も取扱っている(この3行は、立川市内に支店はある)。
他の銀行も取扱っているようだ。
というわけで、多摩信用金庫とメガバンクを簡単に比較してみる。
多摩信用金庫
預入金額:1円以上
手数料:口座管理手数料は無料、定期送金振込手数料は無料(出金、解約時に
は通常の手数料がかかる)
みずほ銀行
初回の最低預入額:500万円
手数料:5,500円(初回)
定期的な送金(スイングサービス)手数料 110円/回
定期送金については、「大口預金口座(支援預金の口座のこと)とは別のみずほ
普通預金口座が必要」とあるので、他行への送金は不可なのだろう。
三菱UFJ銀行
預入金額:1円以上
口座開設手数料:165,000円
定期送金については、「支援預金と同一名義の当行口座に限る」とあるので、
他行への送金は不可なのだろう。
三井住友銀行
取扱店舗:東日本;横浜支店、日本橋支店、新宿支店
西日本;神戸営業所、梅田支店、難波支店
預入れ:1円以上
(手数料等はWeb上では不明)
キャッシュカードは発行されない、というのは全てに共通しているようだ。
この4つの金融機関からどれを選ぶかといえば、私だったら、多摩信用金庫を選ぶかな。
その他、支援預金を取扱っている立川市内に支店がある主な金融機関。
山梨中央銀行
東京スター銀行
西武信用金庫
青梅信用金庫
東京みどり農業協同組合
課税(非課税)証明書と成年後見
ATOKの場合、文字の変換を確定させるときは、enterでも確定するが、「↓」を押す。
一方、例えば、Microsoft IMEの場合、「↓」は変換候補の選択である。
(なお、ATOKだと、変換候補の選択は「スペース」だが、これは、Microsoft IMEでも同じ。)
つまり、ATOKをMS-IME感覚で、変換候補の選択をしようと「↓」を押すと、変換が確定してしまう、ということになる。
自分が使っているIMEは「かわせみ2」というものだが、これも標準設定では「↓」は変換候補の選択である。
これに慣れているので、たまにATOKを使って、文字の変換中に、うっかり「↓」を押すと、思わぬところで文字が確定してしまうということが起こり、これが結構煩わしい。
そういう煩わしさを回避するため、複数のIMEを使う場合は、慣れているものに統一したほうがいいと思う。
市役所等のサイトを見ると、課税証明書や非課税証明書は、本人と同居(同じ世帯)の親族の場合、委任状がなくても請求し取得できる、とある。
では、本人が成年被後見人の場合、その成年後見人は、成年被後見人と同居している親族の非課税証明書を、その人からの委任状がなくても請求できるのだろうか。
できるのではないかと思い、某役所に聞いてみたところ、「できない」とのことだった。
本人だったらできるのに、なぜ成年後見人の場合は、できなくなるのだろう…?
本人に認められている同居の親族の税証明書の交付請求及び受領の権限について、成年後見人は代理できないのだろうか。
できないことに、何かしらの根拠があるのだろうか。
疑問に思ったので、聞いたみた。
そうしたら、課税証明書や非課税証明書場合、原則委任状はいるが、行政サービス上、例外的に、同居の親族に限り委任状を不要という取扱いをしているとのことだった。
そうなんだ。
ということで、この同居の親族に限り委任状不要とするのは、本人の一身専属権的なもの、なのだろうという理解をすることとした。
一身専属権なら、代理できないし。
成年被後見人が不動産を相続する相続登記において、あ…と思ったこと
タイトル長い。
パソコン(Windows)を使おうとしたら、OSの更新が始まり、しばらく使えない。
必要なこととはいえ、使おうとするときになってしまい、しかも結構時間がかかるので、うわってなる。
成年被後見人の住民票・戸籍の附票がない?
印鑑証明書は…?
あ、成年被後見人なので印鑑証明書はないんだった…
(あ、戸籍の附票があった)
相続登記には、不動産を取得する相続人の住所証明書(住民票等)が必要となる。
相続登記で、遺産分割協議書を用いる場合、遺産分割協議書に相続人全員が実印を押印し、印鑑証明書を付けるが、この印鑑証明書は住所証明書にもなる。
なので、もし不動産を相続する相続人の住民票や戸籍の附票がなくても、その人の印鑑証明書があれば、住民票等を取る必要はなく、印鑑証明書を住所証明書としても使えばいいわけである。
自分の場合も、印鑑証明書はあるが、住民票や戸籍の附票がないときは、そうする。
ところで、成年後見の場合、成年被後見人の印鑑登録は抹消されてしまうので、被後見人の印鑑証明書は発行されない。
遺産分割協議をする場合は、成年後見人が協議をし、署名押印をすることとなり、成年後見人の印鑑証明書を添付することとなる。
なので、もし、遺産分割協議によって、成年被後見人が不動産を相続して相続登記を行うときは、印鑑証明書を住所証明書として使うことができないということになり、成年被後見人の住民票・戸籍の附票が必要となってくる。
成年後見とインフルエンザ予防接種
自分が成年後見人をしている方の件で、施設から、インフルエンザ予防接種に関する書類が送られてきた。
予診票に記載し、予防接種を希望するか・希望しないかを選択してくれ、という。
ところで、成年後見人には、医療行為についての同意権はない。
インフルエンザの予防接種も医療行為なので、成年後見人は、同意することができない。
なので、「同意できない」と、突っぱねるか。
ただ、そうしてしまうと、他に同意できる人がいなければ、予防接種を受けることができず、本人に不利益になるかもしれない。
かといって、権限がないことをするのも…。
堂々巡り。
今回のインフルエンザ予防接種は、市による高齢者インフルエンザ予防接種で、これは予防接種法に基づく予防接種のようである。
例:立川市の場合
予防接種法第9条によると、成年後見人は、成年被後見人に、インフルエンザの予防接種を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努める必要がある、とある。
但し、これは努力義務規定であり、予防接種を受けさせなければならないとはなっていないし、成年後見人が予防接種に同意できるともなっていない。
というわけで、成年後見人は、インフルエンザ予防接種に同意できないが、本人にインフルエンザの予防接種を受けさせるため必要な措置を講ずる必要はある、ということになるのだろう。
なお、理屈は理屈として承知しつつも、同意する人が誰もいない以上、やむを得ず成年後見人が同意している場合もあるようである。
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予防接種法
(市町村長が行う予防接種)
(2項以下は省略)
3 この法律において「B類疾病」とは、次に掲げる疾病をいう。
4 この法律において「定期の予防接種」とは、次に掲げる予防接種をいう。
7 この法律において「保護者」とは、親権を行う者又は後見人をいう。
登記や登記事項証明書等のオンライン申請
不動産登記、商業登記、不動産登記事項証明書、商業登記事項証明書、成年後見の登記、成年後見等の登記事項証明書を、オンラインで申請する場合とそうでない場合。
(1)不動産登記事項証明書・商業登記事項証明書
これは、オンラインの方がいい。
手数料も、オンライン申請の方が安くなる。
1通あたりの手数料は、書面申請の場合は600円、オンライン申請で証明書を郵送の場合は500円、オンライン申請で証明書を法務局の窓口交付の場合は480円。
ただ、手数料が電子納付のため、電子納付ができない場合なら、いたしかたなし。
証明書を郵送で交付の場合、書面申請だと返信用封筒も準備しなければならないが、オンラインの申請の場合はいらない。
(2)不動産登記申請、商業(法人)登記申請
不動産登記のオンライン申請は、本来は添付書類も全部オンラインで申請するものなのだが、それは無理なので、現状は、運用で、申請情報に登記原因証明情報をPDFにしたものを添付して申請し、添付書類は法務局に郵送あるいは持参するという申請(半ライン申請)である。
商業登記のオンライン申請は、申請情報をオンラインで送信し、添付情報は法務局に郵送・持参である。
オンライン申請と書面申請(法務局に郵送あるいは持参)とは、まあ、どっちでも…という感じである。
登記事項証明書のときのような、オンライン申請の方が手数料が安くなるというようなメリットはないし(過去の一時期にはあったが)。
オンライン申請の方が、書面申請の場合よりも登記が早く終わっている感はある。
が、不動産登記の場合の登記原因証明情報の補正のことを考えたら、オンライン申請よりも書面申請の方がいい。
また、どちらかというと、オンライン申請の方が、書面申請よりも手間がかかる感じがする。
国としては、オンライン申請を増やしたいようなので、オンライン申請をした方が、それにかなう。
ま、いろいろあるが、個人的には、可能な限り、オンライン申請をしている。
(3)後見の登記、後見登記事項証明書
これは、オンラインの方がいい。
手数料も、オンライン申請の方が安くなる。
書面申請の場合は、1通550円だが、オンライン申請で紙の証明書発行の場合は、1通380円。
ただ、手数料が電子納付のため、電子納付ができない場合なら、いたしかたなし。
証明書を郵送で交付の場合、書面申請だと返信用封筒も準備しなければならないが、オンラインの申請の場合はいらない。
後見等の登記申請でも、例えば、死亡による終了のとき、オンライン申請の場合は、死亡を証する戸籍謄本の添付も省略できる(法務局が住基ネットにアクセスできるので)が、書面申請の場合は省略できない。
しかし、成年後見等のオンライン申請では、司法書士の電子署名は使えない。
なので、成年後見人等の住所を事務所にしている場合は、オンライン申請はできないこととなる。
この場合のオンライン申請で使う電子署名は個人のものになるが、個人の電子署名は、マイナンバーカードに電子署名を登録することとなる。
なので、マイナンバーカードの交付を受けていない、マイナンバーカードはあっても電子署名を登録していない、というような場合は、オンライン申請はできないこととなる。
オンライン申請(全般)で、これが一番いいかもしれない…と思っていることは、これはメールアドレスを登録した場合だが、「オンライン申請システムからメールが来ること」である。
特に、「審査終了」のメールが来るのは、かなり助かる。
なお、書面申請の場合だと、終わった旨の連絡は来ない。
都営住宅と成年後見
都営住宅を借りて住んでいる人(賃借人、名義人)の成年後見人等になったとき。
都営住宅に関することは、東京都住宅供給公社(JKK)が取扱っている。
(1)都営住宅に関する書類を預かる
都営住宅を借りていることが分かる何かしらの資料を預かれるなら、預かる。
名義人番号というのがあるので、それが分かれば、初期の手続き時に助かる。
(2)東京都住宅供給公社に、成年後見届をする
東京都住宅供給公社の該当する窓口センターに行って、手続きをする。
(この手続きを、郵送でできるかどうかは、分からない。)
これにより、後見人等が手続きを行うことができるようになり、また、書類も成年後見人等に届くようになる。
但し、成年後見人等に送られるのは重要な書類のみで、そうでないような書類、例えばたんなる通知のようなものは、成年後見人等には送られず、本人に送られるとのこと。
立川に、東京都住宅供給公社の立川窓口センター(受持ち地域:立川市、青梅市、昭島市、国分寺市、国立市、福生市、東大和市、武蔵村山市、羽村市、瑞穂町)がある。
(3)使用料が銀行等の引落としになっているとき
成年後見人等になったら、銀行等の金融機関に対して、成年後見届をするが、これにより、金融機関によっては、口座名義が「○○成年後見人□□」となるところがある。
都営住宅の使用料が銀行等の口座引き落としになっていて、この銀行等に成年後見届をしたら上記のように口座名義が変わるような場合は、使用料の引き落しができなくなるとのこと。
なので、こういう場合は、引落し口座の名義変更をする必要がある(名義を変えるだけで、口座そのものを変えるわけではない)。
(使用料が引き落とされている金融機関が、こういうことを把握していれば、その旨の説明があり、口座変更の書類も渡してくれる。)
(4)世帯に変更が生じた場合
例えば、配偶者が施設に移って住民票も移した場合、その手続きが必要で、「都営住宅名義人及び名義人の配偶者一時転出届」を提出する。
この届の用紙は、JKKのサイトからダウンロードできる。
この届には、転出理由が確認できる書類(施設入所証明、入院証明等)と住民票が必要となる。
なので、こういうことが生じた場合は、配偶者の入居した施設に、入所証明書を発行してもらうように依頼する必要があり、また、配偶者の住民票も取らないとならない。
配偶者にも成年後見人等がついていたら、その成年後見人等に事情を説明し、手配してもらうよう依頼する。
この転出期間は1年とのことなので、1年経過しても配偶者が戻れない場合は、また、「転出届」を提出するとのこと。
(5)使用料の減免申請
所得が低い、収入が減少したような場合、使用料の減免申請というのができるので、これを検討し、減免申請をしたほうがいいなら、申請をする。
既に減免を受けている場合は、継続の減免申請書が、減免期間が終了する月の前月の20日頃に送られてくるので、手続きをする。
これは、成年後見人等に送られてくる。
この減免申請には、住民票(世帯全部、続柄記載のもの)や世帯全員の住民税の課税証明書(非課税証明書)等が必要になる。
なので、被後見人等が確定申告や住民税申告が不要の場合であっても、どちらかはしておいたほうがいいと思う。
なお、住民税申告よりも確定申告の方がやりやすいし、確定申告をすれば住民税申告は不要なので、個人的には、確定申告をするようにしている。
課税証明書・非課税証明書は、住民票上同一世帯の者であれば、申請し取得できるとのこと。
なので、本人の成年後見人として、本人の非課税証明書と同一世帯の者の非課税証明書も申請できることとなる。
本人の配偶者が施設に移って住民票も移したような場合。
本人と配偶者が住民票上別世帯になったとしても、減免申請にあたっては、配偶者についても、非課税証明書等の書類は必要になるとのこと。
ところが、この場合、現在は本人と配偶者は世帯が別なので、非課税証明書が必要な年度のときは同一世帯であったとしても、本人の成年後見人等は、配偶者の非課税証明書は取れないとのこと。
この場合は、配偶者にとってもらうか、配偶者から委任を受ける必要がある。
配偶者にも成年後見人等がついていたら、その成年後見人等に事情を説明して、手配してもらうよう依頼する。
減免期間は、人によって、半年だったり1年だったりと違うとのことだが、例えば減免期間が半年だったら、使用料の減免を継続して受けたいのなら、半年ごとに申請をする必要がある。
当事者全員が成年被後見人の相続登記
当事者全員が、成年被後見人という相続登記があった。
亡くなった被相続人と相続人が全員成年被後見人であり、しかも、成年後見人は、全て専門職だった。
あり得なくもないのだが、実際直面すると、ちょっと驚く。
注意点というか、これはどうなんだ?ということ。
(1)代理権
成年後見だったので気にしなかった。
普通に、成年後見人から、相続登記の委任を受ければいい。
(2)遺産分割協議書の押印
後見登記事項証明書上、専門職後見人の住所が事務所になっている場合の、遺産分割協議書の押印・印鑑証明書は、個人の実印・市区町村長発行の印鑑証明書になるのか、あるいは、東京家庭裁判所(同立川支部も)への届出印とその印鑑証明書でいいのか。
東京家裁では、成年後見人等の印鑑証明書の運用が始まったので、こういう疑問が生じるわけである。
なお、東京家裁の案内によれば、この家裁の印鑑証明書は、不動産登記用とのこと。
結論からいえば、今回は、事前に法務局に照会をし、「家庭裁判所への届出印の押印と家庭裁判所の発行するその印鑑証明書」でいいということになった。
(法務局への照会のときは、家裁の印鑑証明書でいいと考える、という私見を付した。)
遺産分割協議書において、家裁の印鑑証明書でいいかどうかについては、申請前に、法務局に確認しておいたほうがいいと思われる。
また、今回は、不動産登記のみだが、預貯金等の相続手続もある場合も、家裁の印鑑証明書でいいのかは不明である。
(3)被相続人の同一性の証明のための書類
今回、被相続人の戸籍、戸籍の附票(除附票、改製原附票)、除票を取っても、登記上の所有権登記名義人の住所と被相続人の最後の住所が一致しなかった。
登記済証もないという。
そうなると、「同一人であることの上申書」と「固定資産税の納税通知書」ということになるかなと思った。
今回の場合、幸いにも、被相続人とその配偶者(つまり相続人)が同じ成年後見人だったので、その成年後見人に納税通知書があるかどうかを聞いてみたら、成年後見人はそれを持っていたので、それをもらった。
そうしたら、あっ、と思った。
専門職が成年後見人になった場合、書類の送付先を、成年後見人の事務所にする。
なので、この納税通知書の宛先が成年後見人の住所になっていたのである。
納税通知書には、「成年後見人の事務所・被相続人の氏名・成年後見人の氏名」が記載されており、被相続人の住所の記載がない。
この場合でも、納税通知書でいいのだろうか。
そういうわけで、被相続人の同一性確認のための書類について、法務局に相談をした。
被相続人の成年後見人が、その配偶者(つまり相続人)の成年後見人もしている(ようは、夫婦で同じ人が成年後見人になっていた)、という事情も述べた。
この場合は、相続登記なので被相続人や相続人の戸籍謄本等を添付したうえで、「同一人であることの上申書、納税通知書、配偶者の後見登記事項証明書」ということになった。
成年後見と遺産分割協議書(2)
相続登記において、成年後見人が、遺産分割協議書に署名押印(印鑑証明書添付)する場合。
成年後見人の押印と印鑑証明書は、家庭裁判所に届けた印鑑の押印とその家庭裁判所の発行する印鑑証明書でいいか、ということを先日書いた。
このことについて、某法務局に、質問をした。
私見は、「家庭裁判所に届けた印鑑の押印と、家庭裁判所の発行する印鑑証明書で可」というものである。
その法務局からは、「それでいい」ということだった。
というわけで、今後はそうしていこうと思う。
しかし、遺産分割協議書に不動産の他、例えば預貯金について記載されていた場合、預貯金等の相続手続でも家裁の印鑑証明書でいいかは、確認していないので不明である。
家裁の注意事項によると、この家裁の発行する印鑑証明書は、不動産登記用、東京法務局管内限定とのことなので、東京以外の法務局に登記申請するときは、事前に確認することとなる。
この家裁の印鑑証明書でいうところの不動産登記とは、売買による所有権移転登記等、つまり、登記義務者として印鑑証明書を添付する場合のものと、思っていた。
なので、相続登記、つまり、遺産分割協議書の印鑑証明書とは趣旨が違うのかなと思っていた。
しかし、遺産分割協議書の印鑑証明書について規定がなく、また、家庭裁判所という官公署が証明するのだから、問題はないのだろうと思っていた。
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