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オンライン申請(特例方式)における登記原因証明情報

なんだかんだと8月が終わり、9月となった。
光陰矢の如し。

USキーボードからJISキーボード(Realforce for Mac)に変えて(戻して)しばらくたつが、回数は減ってきたものの、それでも、打ち間違いはしている。
アンダーバー(_)やコロン(:)は、キーの位置が違うため、間違えている。

登記識別情報(旧式)のシールをはがそうとして、なかなかうまくはがれず、用紙の方も破れそうで、このままだと識別情報の部分も破れるのではないかと、ヒヤっとした。
周りから攻めていって、なんとか、
うまくはがれてくれた。

不動産売買で、仲介業者を介するのが一般的だろうが、親族間や知人間等で、仲介を通さないで売買する場合もある。
そういった個人間売買で気をつけないといけないのが、売買価格である。
親族や知り合いだからといって、安い価格にすると、「みなし贈与」になってしまい、贈与税がかかる可能性もあるとのことである。

所有権移転登記(売買)の必要書類等

買主:住民票、委任状(司法書士に委任する場合)
売主:登記済証または登記識別情報通知、登記原因証明情報、印鑑証明書、委任状(実印押印、司法書士に委任する場合)、評価証明書

売主の現在の住所と登記上の住所が違うときは、住所変更登記も必要。
→ 
 登記上の住所から現在の住所まで繋がりのつく住民票等が必要

売買による所有権移転登記の登記原因証明情報は、不動産売買契約書。
買主が売買代金を支払い、売主が売買代金を受領した時に所有権が移転する旨の特約がある場合は、売主が売買代金を受領したことを証する領収書等も、登記原因証明情報となる。
しかし、実務上は、登記用の登記原因証明情報(「法務局御中」形式のもの)を作成して添付するのが一般的だろう。
ちなみに、その登記申請のためにのみ作成された書類は、原本還付はできない。
オンライン申請するときは、この登記原因証明情報をPDFにして添付する。

住所変更登記の登記原因証明情報は、住民票等。
ところが、住所変更登記をオンライン申請するときは、住民票等の登記原因証明情報をPDFにして添付する必要はない。


オンライン申請(特例方式)における登記原因証明情報の根拠

不動産登記令附則第5条第1項、第4項→不動産登記規則第22条→不動産登記法第64条
(特例方式で不動産登記をオンライン申請する場合は、登記原因証明情報をPDFにして申請情報に添付して申請しなければならないが、登記名義人の氏名や住所変更登記の場合は、それは不要である。)

不動産登記令附則
第5条 電子情報処理組織を使用する方法により登記の申請をする場合におい
 て、添付情報(登記識別情報を除く。以下同じ。)が書面に記載されていると
 きは、第十条及び第十二条第二項の規定にかかわらず、当分の間、当該書面を
 登記所に提出する方法により添付情報を提供することができる
2 前項の規定により添付情報を提供する場合には、その旨をも法第十八条の申
 請情報の内容とする。
3 第十七条及び第十九条の規定は第一項の規定により添付情報を提供する場合
 について、第十八条の規定は同項の規定により委任による代理人(復代理人を
 含む。)の権限を証する情報を提供する場合について、それぞれ準用する。
4 第一項の規定により書面を提出する方法により当該登記原因を証する情報を
 提供するときは、法務省令で定めるところにより、申請情報と併せて当該書面
 に記載された情報を記録した電磁的記録を提供しなければならない。この場合
 においては、第十二条第二項の規定は、適用しない。

不動産登記規則
第22条 令附則第五条第四項の電磁的記録は、法務大臣の定めるところにより送
 信して提供しなければならない。
2 令附則第五条第四項の電磁的記録の提供は、法第六十四条の登記以外の登記
 につき、同項の書面に記載された情報のうち登記原因の内容を明らかにする部
 分についてすれば足りる。
3 令附則第五条第四項の規定により同項の書面に記載された情報を記録する場
 合には、法務大臣の定めるところにより当該書面に記載されている事項をスキ
 ャナ(これに準ずる画像読取装置を含む。)で読み取る方法によらなければな
 らない

不動産登記法
第64条 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正
 の登記
は、登記名義人が単独で申請することができる。
2 抵当証券が発行されている場合における債務者の氏名若しくは名称又は住所
 についての変更の登記又は更正の登記は、債務者が単独で申請することができ
 る。

登記や登記事項証明書等のオンライン申請

不動産登記、商業登記、不動産登記事項証明書、商業登記事項証明書、成年後見の登記、成年後見等の登記事項証明書を、オンラインで申請する場合とそうでない場合。

(1)不動産登記事項証明書・商業登記事項証明書
これは、オンラインの方がいい。
手数料も、オンライン申請の方が安くなる。
1通あたりの手数料は、書面申請の場合は600円、オンライン申請で証明書を郵送の場合は500円、オンライン申請で証明書を法務局の窓口交付の場合は480円。
ただ、手数料が電子納付のため、電子納付ができない場合なら、いたしかたなし。

証明書を郵送で交付の場合、書面申請だと返信用封筒も準備しなければならないが、オンラインの申請の場合はいらない。

(2)不動産登記申請、商業(法人)登記申請
不動産登記のオンライン申請は、本来は添付書類も全部オンラインで申請するものなのだが、それは無理なので、現状は、運用で、申請情報に登記原因証明情報をPDFにしたものを添付して申請し、添付書類は法務局に郵送あるいは持参するという申請(半ライン申請)である。
商業登記のオンライン申請は、申請情報をオンラインで送信し、添付情報は法務局に郵送・持参である。

オンライン申請と書面申請(法務局に郵送あるいは持参)とは、まあ、どっちでも…という感じである。
登記事項証明書のときのような、オンライン申請の方が手数料が安くなるというようなメリットはないし(過去の一時期にはあったが)。

オンライン申請の方が、書面申請の場合よりも登記が早く終わっている感はある。
が、不動産登記の場合の登記原因証明情報の補正のことを考えたら、オンライン申請よりも書面申請の方がいい。
また、どちらかというと、オンライン申請の方が、書面申請よりも手間がかかる感じがする。
国としては、オンライン申請を増やしたいようなので、オンライン申請をした方が、それにかなう。

ま、いろいろあるが、個人的には、可能な限り、オンライン申請をしている。


(3)後見の登記、後見登記事項証明書
これは、オンラインの方がいい。
手数料も、
オンライン申請の方が安くなる。
書面申請の場合は、1通550円だが、オンライン申請で紙の証明書発行の場合は、1通380円。
ただ、手数料が電子納付のため、電子納付ができない場合なら、いたしかたなし。

証明書を郵送で交付の場合、書面申請だと返信用封筒も準備しなければならないが、オンラインの申請の場合はいらない。

後見等の登記申請でも、例えば、死亡による終了のとき、オンライン申請の場合は、死亡を証する戸籍謄本の添付も省略できる(法務局が住基ネットにアクセスできるので)が、書面申請の場合は省略できない。

しかし、成年後見等のオンライン申請では、司法書士の電子署名は使えない。
なので、成年後見人等の住所を事務所にしている場合は、オンライン申請はできないこととなる。
この場合のオンライン申請で使う電子署名は個人のものになるが、個人の電子署名は、マイナンバーカードに電子署名を登録することとなる。
なので、マイナンバーカードの交付を受けていない、マイナンバーカードはあっても電子署名を登録していない、というような場合は、オンライン申請はできないこととなる。


オンライン申請(全般)で、これが一番いいかもしれない…と思っていることは、これはメールアドレスを登録した場合だが、「オンライン申請システムからメールが来ること」である。
特に、「審査終了」のメールが来るのは、かなり助かる。

なお、書面申請の場合だと、終わった旨の連絡は来ない。

特別縁故者への相続財産の分与

 

被相続人の相続人不存在の場合、その手続きの流れの中で、特別縁故者は、家庭裁判所に対して、被相続人の財産の分与の請求ができる。
そして、家庭裁判所は、相当と認めるときは、特別縁故者に対して、相続財産の全部または一部を分与することができる。(民法第958条の3)

被相続人が不動産を所有しており、特別縁故者に対して、その不動産の分与が認められた場合、以下の登記手続きが発生する。

(1)相続財産への所有権登記名義人氏名変更登記
(2)特別縁故者に対する所有権移転登記

被相続人をAとする。
(1) 所有権登記名義人氏名変更登記
相続人不存在により、相続財産は法人となり(民法第951条)、家庭裁判所により、相続財産管理人が選任される(民法952条第1項)。
具体的にいうと、被相続人Aの相続財産は、「亡A相続財産」となる。
また、相続財産管理人が選任されたら、家庭裁判所から、相続財産管理人が選任された審判書が交付される。
この審判書は、登記で使用する(登記原因証明情報、代理権限証明情報)。

不動産登記上、この亡A相続財産への登記は、「所有権登記名義人氏名変更登記」とされているので、所有権登記名義人を「亡A相続財産」と変更する所有権登記名義人氏名変更登記を申請する。

相続財産管理人選任審判書に記載されている被相続人の最後の住所と所有権登記名義人の住所とが違う場合は、この住所の変更登記も必要となる。
従って、この場合は、「所有権登記名義人住所氏名変更登記」を申請することとなる(住所の繋がりをつける戸籍の附票等が必要)。

この変更登記の原因は、「年月日相続人不存在」(年月日はAの死亡日)。
被相続人の死亡日は、相続財産管理人選任審判書に記載されている。
申請人は、相続財産管理人。

(2) 特別縁故者に対する所有権移転登記
特別縁故者への財産分与は、家庭裁判所の審判となり、特別縁故者への財産分与が認められたら、家庭裁判所から、その旨の審判書が出る。
また、審判なので、確定する必要がある。
審判確定によって、特別縁故者への相続財産の分与が確定し、この確定日が、登記原因日付となる。
この所有権移転登記の登記原因は、「年月日民法第958条の3の審判」(年月日が審判確定日)。

特別縁故者への相続財産分与の審判書正本(確定証明書付)は登記原因証明情報であり、これを添付すれば、特別縁故者は単独で登記申請が可能となる。
なので、家庭裁判所で、確定証明書を取っておく必要がある。

また、所有権移転登記なので、登録免許税は、不動産の評価額を元に算出する。
なので、評価証明書が必要となるが、特別縁故者への相続財産分与が確定した以降は、特別縁故者が不動産の所有者となるので、評価証明書は特別縁故者が取得することができる。
この場合は、特別縁故者であることの証明として、家裁の相続財産分与の審判書も必要となる。


司法書士がこれらの登記を受任した場合。
特別縁故者が確定証明書を取得していなかったら、審判の確定証明書の申請書を司法書士の方で作成するか、または、家裁のWebサイトで申請書をダウンロードできるならそれを使い、特別縁故者に申請書等に署名・押印をしてもらい、司法書士の方で確定証明書の申請・受領をしてもいいでしょう。
なお、確定証明書には、収入印紙150円が必要。

評価証明書も、司法書士の方で取るならば、特別縁故者から委任状をもらい、特別縁故者への相続財産分与の審判書(と確定証明書)を添付して、市役所等に申請して取得する。

(1)の必要書類
相続財産管理人の選任審判書
相続財産管理人から司法書士への委任状

(2)の必要書類
特別縁故者への相続財産分与の審判書正本と確定証明書
特別縁故者の住民票
特別縁故者から司法書士への委任状
(特別縁故者の単独申請とするため、登記義務者(亡A相続財産)の書類は不要)

登録免許税の還付

5月になって、新元号「令和」が始まった。

登記申請を取下げたり、あるいは登録免許税を納めすぎていた場合は、登録免許税の全部または一部の還付を受けることができる。
この還付金は、登記申請代理人が代理受領できるが(還付通知請求・申出書を記載し、署名押印して法務局に提出する)、この場合は、委任状が必要。
しかし、登記申請時の委任状に、代理人に還付金を受領する権限を与えている記載がある場合は、新たに委任状は不要とのこと。
この場合、申出書の備考欄の添付書類の「還付金の代理受領権限を証する委任状」については、「申請時の委任状を援用」と記載するとのこと。

というわけで、登記申請の委任状には、「登録免許税の還付金を受領すること」といったような文言を必ず入れておいたほうがいい。


登記申請時の登録免許税を、収入印紙で納付して、その登記を取下げた場合。
登録免許税の還付の他に、「再使用証明」というものもある。
登記申請を取下げたら、消印された収入印紙が返ってくるが、それを再度使用できるようにするのが、再使用証明。
但し、再使用証明が使えるのは、同じ法務局内での登記申請に限られ、有効期間は1年。

当事者全員が成年被後見人の相続登記

当事者全員が、成年被後見人という相続登記があった。
亡くなった被相続人と相続人が全員成年被後見人であり、しかも、成年後見人は、全て専門職だった。
あり得なくもないのだが、実際直面すると、ちょっと驚く。

注意点というか、これはどうなんだ?ということ。

(1)代理権
成年後見だったので気にしなかった。
普通に、成年後見人から、相続登記の委任を受ければいい。

(2)遺産分割協議書の押印
後見登記事項証明書上、専門職後見人の住所が事務所になっている場合の、遺産分割協議書の押印・印鑑証明書は、個人の実印・市区町村長発行の印鑑証明書になるのか、あるいは、東京家庭裁判所(同立川支部も)への届出印とその印鑑証明書でいいのか。

東京家裁では、成年後見人等の印鑑証明書の運用が始まったので、こういう疑問が生じるわけである。
なお、東京家裁の案内によれば、この家裁の印鑑証明書は、不動産登記用とのこと。

結論からいえば、今回は、事前に法務局に照会をし、「家庭裁判所への届出印の押印と家庭裁判所の発行するその印鑑証明書」でいいということになった。
(法務局への照会のときは、家裁の印鑑証明書でいいと考える、という私見を付した。)

遺産分割協議書において、家裁の印鑑証明書でいいかどうかについては、申請前に、法務局に確認しておいたほうがいいと思われる。
また、今回は、不動産登記のみだが、預貯金等の相続手続もある場合も、家裁の印鑑証明書でいいのかは不明である。


(3)被相続人の同一性の証明のための書類
今回、被相続人の戸籍、戸籍の附票(除附票、改製原附票)、除票を取っても、登記上の所有権登記名義人の住所と被相続人の最後の住所が一致しなかった。
登記済証もないという。
そうなると、「同一人であることの上申書」と「固定資産税の納税通知書」ということになるかなと思った。
今回の場合、幸いにも、被相続人とその配偶者(つまり相続人)が同じ成年後見人だったので、その成年後見人に納税通知書があるかどうかを聞いてみたら、成年後見人はそれを持っていたので、それをもらった。
そうしたら、あっ、と思った。

専門職が成年後見人になった場合、書類の送付先を、成年後見人の事務所にする。
なので、この納税通知書の宛先が成年後見人の住所になっていたのである。
納税通知書には、「成年後見人の事務所・被相続人の氏名・成年後見人の氏名」が記載されており、被相続人の住所の記載がない。
この場合でも、納税通知書でいいのだろうか。

そういうわけで、被相続人の同一性確認のための書類について、法務局に相談をした。
被相続人の成年後見人が、その配偶者(つまり相続人)の成年後見人もしている(ようは、夫婦で同じ人が成年後見人になっていた)、という事情も述べた。

この場合は、相続登記なので被相続人や相続人の戸籍謄本等を添付したうえで、「同一人であることの上申書、納税通知書、配偶者の後見登記事項証明書」ということになった。

代表者が変わっていた〜抵当権抹消登記〜

法務局より電話。
「代表者が代わってまっせ」

先に申請した抵当権抹消登記につき、登記義務者(抵当権者)の代表者が代わっていた。
ということで、補正。

抵当権抹消登記の事由が発生したのが3月。
こちらに話があったのも3月。
登記申請は4月になってからした。

抵当権抹消登記に関する書類が、金融機関から債務者に送付される。
それから抵当権抹消登記を申請するので、どうしても、時間があいてしまう。
従って、その間に、抵当権者の代表者が代わることだってあろう。

不動産登記において、登記申請人が会社等の場合、会社法人等番号を提供すれば、資格証明書等の書類の添付を省略することができるようになった。
そのため、金融機関から送付されてくる抵当権抹消書類の中に、抵当権者の資格証明書や履歴事項証明書はなくなった。

抵当権者の商号・本店・代表者については、委任状に記載があるが、司法書士としては、登記申請書に代表者の記載も必要でもあるので、資格証明書等で確認したい。
現在の抵当権者の商号や本店が、抵当権設定登記時のものから変わっている場合は、なおさらである。
そういうわけで、抵当権者の資格証明書が送られていなければ、インタ-ネットで登記情報を取って確認することとなる。
なお、これは有料なので、依頼者にかかることとなる。

今回、抵当権者の登記情報を取ったのが、3月末。
それから登記申請をするまで、10日ほど時間があいたのだが、その間に、抵当権者の登記情報は取っていなかった。
正直、10日間くらしかあいていないし、その間に代表者が代わるとも思っていなかったので、「代表者が変わった」と聞いて、ビックリしたのだが、再度登記情報を取って見たら、4/1付けで新しい代表取締役が就任していた。
ああ、年度が変わる時期にあわせたのか…。


今回の抵当権抹消登記における変更前の代表者名の書類は、以下のとおり。
 登記申請書(オンラインなので申請情報)
 登記原因証明情報
 委任状(登記権利者、登記義務者)

登記原因証明情報については、抵当権抹消登記の事由が発生したのは3月で、その日付が記載されており、その時点では代表者は変わっていないので、これは問題なし。

登記義務者(抵当権者)の委任状については、抵当権者が作成したものだが、委任者は変更前の代表者で、最初から3月の日付が記載されていたので、これは問題なし。
(日付が空欄で、申請前にこちらで4月と記載していたら、アウトだった。)
(ちなみに、抵当権者の委任状の日付が空欄で交付され、申請前に司法書士の方で日付を記載する方が多いかも。)

登記義務者の委任状については、私の方で作ったが、旧代表者名で作ってしまっていたため、補正となった。
捨印をいただいていたので、修正。

登記申請情報については、補正コメントで、
(1)代表者の氏名の訂正
(2)代表者の代表権が消失したこと、代表権を有していた期間を記載
とのことだった。
オンラインで申請したので、補正もオンライン。
ということで、補正コメントに従って、補正をした。

こういうこともあるんだと…。


抵当権抹消登記委任時の代表者(旧代表者)と登記申請時の代表者(新代表者)が違う場合、抵当権抹消登記手続きはどうなるか。

この場合、不動産登記法の規定により、旧代表者の会社の代表権は消滅しているが、「登記申請代理権は消滅しない」とされているので、旧代表者の委任状等を添付して、抵当権抹消登記を申請することができる。
そして、この場合、申請書に、旧代表者の代表権が消滅したこと、旧代表者が代表権を有していた期間を記載する。
なので、旧代表者が代表者であることが分かる閉鎖登記簿謄本や履歴事項証明書が必要となるが、登記申請時に会社法人等番号を提供すればこれが省略できる場合であれば、省略できる(今回は、省略できた)。
また、今回は、登記申請情報の登記義務者(抵当権者)の代表者の氏名を新代表者に補正した。
が、旧代表者を記載するという見解もあるようだ。

新元号・「令和」

本日、新元号が発表された
「令和」とのこと。
その中継と安倍首相の談話をネットでみていた。
なかなか繋がらなかったが。

典拠はどこだろうと思って聞いていたら、「万葉集」の梅の歌の序文とのこと。
なんと、万葉集。
確か、これまでの元号の典拠は四書五経等の漢籍だったので、典拠が我が国の書物なのは初めてではないか…と思った。
そう思っていたら、安倍首相記者会見でこのことの質疑応答があり、国書典拠は初と言っていた。
ただ、ネットで見ていたら、万葉集のこの序文の元は、「文選」という漢籍らしい。

ところで、報道を見ていると、これまでの元号の典拠を「中国の古典」と言っているが、これは正確ではない。
中国(中華人民共和国)は、1949年にできた新しい国。
周や漢は、中国ではない。
一方、我が国は、万葉集が作られた頃も日本で、ずっと日本が続いている。

早速、パソコンのIMEに「令和」を登録した。
5/1に改元となる。

そんな4月1日は、新年度の始まりの日。
平成31年度、2019年度。
5/1以降は、令和初年度ともなる。

所有権移転登記の登録免許税は、不動産の評価額に基づいて計算をする。
この評価額は、申請する「年度」のものとなる。
従って、本日から所有権移転登記を申請する場合は、平成31年度の評価額に基づいて登録免許税を算出することとなる(平成31年度の評価証明書を取ることとなる)。

抵当権抹消登記

抵当権抹消登記で抵当権者(金融機関)の商号や本店が変わっている場合。

家を購入時、住宅ローンで融資を受け、その家に抵当権の設定登記をする。
そのローンを完済する。
そうすると、金融機関から、「抵当権抹消登記に関する書類」が、債務者宛てに送られてくる。
債務者は、それに基づき、抵当権抹消登記を行う。

抵当権抹消登記の依頼を受けるときは、その書類を持ってきてもらう。
金融機関から送られてきた書類と不動産の登記情報を取って確認すると、抵当権者である金融機関の商号や本店が、抵当権を設定したときと変わっている場合がある。
この変更の理由は、商号変更、本店移転とする(合併だと、違う話になる場合もあるので)。

抵当権抹消登記を申請するとき、抵当権者の商号や本店が変わっていたら、その変わったことを証する抵当権者の履歴事項証明書等を添付する。
また、そもそも、法人が登記申請人となるときは、法人の代表者事項証明書等を添付する。

しかし、法改正で、法人の場合は、登記申請時に「会社法人等番号」を提供すれば、原則として、法人の代表者事項証明書や履歴事項証明書等の添付を省略できるようになった。

つまり、抵当権抹消登記を申請するとき、会社法人等番号を提供すれば、抵当権者の商号や本店が変更していても、履歴事項証明書や代表者事項証明書は不要となったのである。

そうなってから、金融機関である抵当権者から送られてくる書類の中には、会社法人等番号が書かれた書類は入っているが、抵当権者の代表者事項証明書や履歴事項証明書はなくなった。

抵当権者としては、それでいいのだろう。
が、登記の委任を受けた司法書士としては、そうはいかない。
抵当権者の登記情報にアクセスして、本店や商号を確認する必要がある(ついでに、申請書に記載する代表取締役の名前も確認する)。

それと、細かい話。
抵当権抹消書類は、金融機関から債務者に送られる。
が、抵当権抹消登記の当事者は、抵当権設定者(抵当権が設定された不動産の所有者)と抵当権者である。
通常は、債務者=抵当権設定者であることが多いのでいいが、たまに、物上保証のときがある。
債務者が抵当権設定者でなければ、登記上は、債務者は関係ない。
こういう場合は、その物上保証人となった抵当権設定者から、抵当権抹消登記の委任を受けることとなる。

成年後見と遺産分割協議書(2)

相続登記において、成年後見人が、遺産分割協議書に署名押印(印鑑証明書添付)する場合。
成年後見人の押印と印鑑証明書は、家庭裁判所に届けた印鑑の押印とその家庭裁判所の発行する印鑑証明書でいいか、ということを先日書いた。

このことについて、某法務局に、質問をした。
私見は、「家庭裁判所に届けた印鑑の押印と、家庭裁判所の発行する印鑑証明書で可」というものである。

その法務局からは、「それでいい」ということだった。
というわけで、今後はそうしていこうと思う。

しかし、遺産分割協議書に不動産の他、例えば預貯金について記載されていた場合、預貯金等の相続手続でも家裁の印鑑証明書でいいかは、確認していないので不明である。

家裁の注意事項によると、この家裁の発行する印鑑証明書は、不動産登記用、東京法務局管内限定とのことなので、東京以外の法務局に登記申請するときは、事前に確認することとなる。

この家裁の印鑑証明書でいうところの不動産登記とは、売買による所有権移転登記等、つまり、登記義務者として印鑑証明書を添付する場合のものと、思っていた。
なので、相続登記、つまり、遺産分割協議書の印鑑証明書とは趣旨が違うのかなと思っていた。
しかし、遺産分割協議書の印鑑証明書について規定がなく、また、家庭裁判所という官公署が証明するのだから、問題はないのだろうと思っていた。

成年後見と遺産分割協議書

普段リュックを使っている。
リュックは背負うものだが、例えば、電車の中では、特に混雑時には、背負わずに、前に抱えている。
ちなみに、海外の話ということだが、リュックを背負っていると、後ろからリュックをガッとひったくられるので、安全上の理由から、リュックは前に抱えるほうがいい、ということを聞いたことがある。
それはさておき…

電車を降りたら、前に抱えていたリュックを背負い直すのだが、これが、結構邪魔というかめんどい。
先日、ネットを見ていたら、学天即という漫才コンビの奥田さんが、前に抱えているリュック後ろに直す方法を紹介していた。
これ、いいかも、と思い、早速、自分でも実践してみたが、確かにこれはいい。
いちいち、リュックおろして背負い直すことをしなくていいので、楽だ。
その方法はというと…。

前に抱えているリュックの肩ひもの内側で、両手を交差させ、そのまま両手をあげる。

被相続人が亡くなり、相続人間で遺産分割協議をして、遺産分割協議書を作成するとき。
遺産分割協議書には、相続人の実印と印鑑証明書(市区町村長発行のもの)が必要となる。
相続人の中に、成年被後見人がいる場合は、その成年後見人が遺産分割協議を行い、遺産分割協議書に署名・押印し、印鑑証明書を添付する。
相続登記を申請する場合は、申請書に遺産分割協議書と印鑑証明書を添付する。
なお、保佐人・補助人の場合は、遺産分割協議に関する代理権が付与されていれば、保佐人・補助人として、遺産分割協議をすることとなる。

遺産分割協議書の印鑑証明書というのは、法令上根拠のあるものではなく、その協議書の真正担保のために、要求されているものである。
一方、例えば、売買による所有権移転登記のような場合、登記義務者の印鑑証明書が必要だが、これは、法令(不動産登記令16条2項)上、要求されている。

東京家庭裁判所において、家庭裁判所(の書記官)が発行する成年後見人の印鑑証明書という制度が、昨年から始まった。
これは、事務所を住所としている専門職用で、また、不動産登記用だという。

となると、遺産分割協議書に、この家庭裁判所の印鑑証明書を使用してもいいのだろうか。
遺産分割協議書に成年後見人が家庭裁判所に届けた印鑑を押印し、家庭裁判所の印鑑証明書を添付して相続登記を申請しても大丈夫なのだろうか。
もし、遺産分割協議書に、不動産以外の財産、例えば、預貯金のことについても記載されている場合、家庭裁判所の印鑑証明書でも預貯金の相続手続に使用できるのだろうか。

遺産分割協議書の印鑑証明書については、法令上の根拠がないので、家庭裁判所への届出印が押印と家庭裁判所の発行する印鑑証明書で、相続登記は大丈夫だと、個人的には考えている。
機会があったら、法務局にも聞いてみようと思う。