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他に相続人がいないことの証明書が不要となった

参議院選挙が終わったと思ったら、今度は、東京都知事選挙。
街中にある選挙ポスターを貼る掲示板が、参議院選挙の翌日に東京都知事選挙用に変わっていた。

バックアップを復旧することよりも、新しくしていこうという方を選んだ。
というわけで、前に書いた事などを思い出しながら、書いていこうと思っています。

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これまで、相続による所有権移転登記の申請において、除籍又は改製原戸籍(以下、除籍等という)の一部が滅失等していることにより、その謄本が添付できないときは、戸籍及び残存する除籍等の謄本のほか、滅失等により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書及び「他に相続人はいない」旨の相続人全員による証明書(印鑑証明書添付)が必要という扱いであった。
しかし、それが、平成28年3月11日の通達で、「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書が提供されていれば、相続登記をして差し支えない、となった。
つまり、「除籍謄本等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書があれば、相続人全員による他に相続人がいない旨の証明書がいらなくなった、ということである。

相続登記では(というより、各相続手続きにおいて)、亡くなった人(被相続人)の出生から死亡するまでの除籍謄本等や相続人全員の戸籍謄本等が必要となる。それは、相続(死亡した事実、相続人の特定)を証明するためである。なお、出生からの除籍等が必要としているが、正確に言うと、12歳頃からのものでいいとされている。
しかし、除籍等には保存期間があり、これが経過しているため除籍謄本が交付されない場合がある。また、空襲や天災で除籍等が焼失され、除籍謄本が交付されない場合もある。例えば、東京大空襲による焼失。伊勢湾台風もそうだったかも。他にもあったかもしれないが、覚えていない。そんなときは、除籍等を請求した市町村から、「謄本が交付できない」といった内容の証明書(告知書)が交付される。交付されない場合は、請求する。

被相続人の除籍等の一部がない場合、被相続人の相続人の調査が途中で途切れることとなる。そうすると、判明している相続人の他に相続人がいるかどうか分からない、ということになる。相続人が欠けていた遺産分割協議は無効になってしまいますし。なので、自分達以外に相続人はいないということを証するために、相続人全員から「自分達以外に相続人はいません(実印押印して印鑑証明書添付)」という証明書が要求されていた。この証明書は、単独の証明書である必要はなく、遺産分割協議書の中にこの旨の記載をする、というものでもよかった。こういった場合、私は、遺産分割協議書に、「他に相続人はいない」旨を記載していた。遺産分割協議書には相続人全員が署名と実印押印をしますしね。

が、平成28年3月11日からは、この「他に相続人がいない」証明書が不要となった。
扱いがそうなっても、遺産分割協議書に一文を書くか書かないかという点からすればそうは変わらないかな…と思いつつ、うっかり忘れても大丈夫ってな点からすれば助かるかも。

株主リスト

本年10月1日から、株式会社の登記について、登記事項につき株主総会の決議を要する場合(株主総会議事録が必要になる場合)には、申請書に、次の書面を添付しなければならない、とされました(商業登記規則第61条3項)。

【添付しなければならない書面】
総株主の議決権(当該決議において行使することができるのものに限る。以下同じ。)の数に対するその有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であって、10名又はその有する議決権の割合を当該割合の多い順に順次加算し、その加算した割合が3分の2に達するまでの人数のうちいずれか少ない人数の株主につき、次に掲げる事項を証する書面。(以下、「株主リスト」という。)
(1)氏名又は名称
(2)住所
(3)当該株主のそれぞれが有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。)及び議決権の数
(4)当該株主のそれぞれが有する議決権の数の割合
なお、一の登記申請で、株主総会の決議を有する複数の登記すべき事項について申請される場合には、当該登記すべき事項ごとに上記(1)~(4)までの事項を証する書面の添付を要することになる。但し、決議ごとに添付を要する当該書面に記載すべき内容が一致するときは、その旨が注記された当該書面が1通添付されていれば足りる。

この書面は、株主総会に出席した株主に限らず、議決権を有しない株主を除き、当該株主総会において、当該決議事項につき議決権を行使することができた株主全ての中から対象となる株主が記載されている必要がある。
また、この書面は、代表取締役の作成する証明する書面であって、登記所に提出された印鑑が押印されたもの。

改正の理由
株主総会議事録等を偽造して役員なりすまして役員の変更登記又は本人の承諾のなり取締役の就任登記申請を行った上で会社の財産を処分する等、商業・法人登記を悪用した犯罪や違法行為が後を絶たず、商業登記の真実性の担保を図る必要がある。また、国際的にも、登記所において法人の所有者情報を把握して、法人の透明性を確保することにより、法人格の悪用を防止すべきであるとの要請がされている。

パブリックコメントの改正の概要


というわけで、今年の10月1日から、株式会社において、株主総会議事録を添付する必要がある登記を申請するときは、株主総会議事録と株主リストが必要になる、ということになります。

役員の変更登記(取締役の就任や重任等)や本店移転登記(定款変更を伴う場合)、解散(株主総会の決議による解散)・清算人就任の登記等は、株主総会の決議が必要になりますので、こういった登記を申請するときは、株主総会議事録と株主リストが必要になってきます。

株主が10名以下であれば、その全員を記載することとなります。
一方、株主が11名以上のときは、議決権割合の3分の2に達するまでの株主で、議決権割合の多い上位10名を記載する、ということになります。

また、同じ定時株主総会で、取締役の重任決議と本店移転(定款変更)決議をして、いずれも全員一致で承認された場合、株主リストは、登記すべき事項ごと(取締役と本店)に必要となっているので、原則として、2通必要になってくるのでしょう。但し、両決議について株主リストに記載する内容が同じであれば、その旨を記載しておけば1通で足りる、とのことなので、この場合は、1通で足りるでしょう。
たぶん、こういう場合の方が多いと思われます。

書式のひな形は、そのうち、法務省のサイトにアップされるでしょう。

新しく

やり直し