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日別アーカイブ: 2019年4月15日

代表者が変わっていた〜抵当権抹消登記〜

法務局より電話。
「代表者が代わってまっせ」

先に申請した抵当権抹消登記につき、登記義務者(抵当権者)の代表者が代わっていた。
ということで、補正。

抵当権抹消登記の事由が発生したのが3月。
こちらに話があったのも3月。
登記申請は4月になってからした。

抵当権抹消登記に関する書類が、金融機関から債務者に送付される。
それから抵当権抹消登記を申請するので、どうしても、時間があいてしまう。
従って、その間に、抵当権者の代表者が代わることだってあろう。

不動産登記において、登記申請人が会社等の場合、会社法人等番号を提供すれば、資格証明書等の書類の添付を省略することができるようになった。
そのため、金融機関から送付されてくる抵当権抹消書類の中に、抵当権者の資格証明書や履歴事項証明書はなくなった。

抵当権者の商号・本店・代表者については、委任状に記載があるが、司法書士としては、登記申請書に代表者の記載も必要でもあるので、資格証明書等で確認したい。
現在の抵当権者の商号や本店が、抵当権設定登記時のものから変わっている場合は、なおさらである。
そういうわけで、抵当権者の資格証明書が送られていなければ、インタ-ネットで登記情報を取って確認することとなる。
なお、これは有料なので、依頼者にかかることとなる。

今回、抵当権者の登記情報を取ったのが、3月末。
それから登記申請をするまで、10日ほど時間があいたのだが、その間に、抵当権者の登記情報は取っていなかった。
正直、10日間くらしかあいていないし、その間に代表者が代わるとも思っていなかったので、「代表者が変わった」と聞いて、ビックリしたのだが、再度登記情報を取って見たら、4/1付けで新しい代表取締役が就任していた。
ああ、年度が変わる時期にあわせたのか…。


今回の抵当権抹消登記における変更前の代表者名の書類は、以下のとおり。
 登記申請書(オンラインなので申請情報)
 登記原因証明情報
 委任状(登記権利者、登記義務者)

登記原因証明情報については、抵当権抹消登記の事由が発生したのは3月で、その日付が記載されており、その時点では代表者は変わっていないので、これは問題なし。

登記義務者(抵当権者)の委任状については、抵当権者が作成したものだが、委任者は変更前の代表者で、最初から3月の日付が記載されていたので、これは問題なし。
(日付が空欄で、申請前にこちらで4月と記載していたら、アウトだった。)
(ちなみに、抵当権者の委任状の日付が空欄で交付され、申請前に司法書士の方で日付を記載する方が多いかも。)

登記義務者の委任状については、私の方で作ったが、旧代表者名で作ってしまっていたため、補正となった。
捨印をいただいていたので、修正。

登記申請情報については、補正コメントで、
(1)代表者の氏名の訂正
(2)代表者の代表権が消失したこと、代表権を有していた期間を記載
とのことだった。
オンラインで申請したので、補正もオンライン。
ということで、補正コメントに従って、補正をした。

こういうこともあるんだと…。


抵当権抹消登記委任時の代表者(旧代表者)と登記申請時の代表者(新代表者)が違う場合、抵当権抹消登記手続きはどうなるか。

この場合、不動産登記法の規定により、旧代表者の会社の代表権は消滅しているが、「登記申請代理権は消滅しない」とされているので、旧代表者の委任状等を添付して、抵当権抹消登記を申請することができる。
そして、この場合、申請書に、旧代表者の代表権が消滅したこと、旧代表者が代表権を有していた期間を記載する。
なので、旧代表者が代表者であることが分かる閉鎖登記簿謄本や履歴事項証明書が必要となるが、登記申請時に会社法人等番号を提供すればこれが省略できる場合であれば、省略できる(今回は、省略できた)。
また、今回は、登記申請情報の登記義務者(抵当権者)の代表者の氏名を新代表者に補正した。
が、旧代表者を記載するという見解もあるようだ。